Scugnizzo

Yahoo!検索

  • ウェブ全体を検索
  • このサイト内を検索

バーレーン戦後

8月20日

メンバー表・試合結果・環境・観戦記

ポジション 名前 交代 交替選手
GK 楢崎正剛
DF 中澤佑二
DF 高木和道
DF 駒野友一
DF 阿部勇樹
MF 青木剛 後半0分 長友佑都
MF 小野伸二
MF 中村憲剛 後半30分 佐藤寿人
MF 長谷部誠
FW 玉田圭司 後半23分 大黒将志
FW 田中達也 後半31分 山瀬功治
サブ 川口能活
サブ 田中マルクス闘莉王
サブ 今野泰幸
サブ 鈴木啓太
サブ 大久保嘉人
試合結果 1−3 ●
場所 札幌ドーム
時間 19:10 キックオフ
天気 晴れ
無風
気温 20度前後
選手コンディション リーグ戦の途中で良好
観客 2万人以上
注目度 オリンピックや高校野球に挟まれいま一つ
相手のレベル 海外組を全て召集し最強のメンバー
相手の状況 何か最終テストでもしているかのような凄い気迫

感想

相手のメンバー表を見て、こちらのメンバー表を見ると「なんだこりゃ?」という、どちらがホームでどちらがアウェイなのか分からないような感じがした。 親善試合で呼ばれた国がほぼベストメンバー、こちらはレギュラークラスが半分に満たない。 岡田監督がこの試合でテストをするという意思がはっきりとみてとれる。

前半立ち上がりから猛攻を受け防戦一方な日本代表。 当然の如く新たに呼ばれた選手のポジションはほとんど機能しない。 それ以前に個として役不足。 相手を体ごと止めに行くという基本さえも出来ていないメンバーを見て問題を感じた。 Jリーグはそろそろアジア枠という新しい取り組みが始まるのでJリーグ独自の接触プレーに対する過度の判定は少しずつ良くなると思うが、この試合では普段のクリーン過ぎる温室サッカーが露骨に見て取れた。 ウルグアイにとっては練習のようにしか感じなかったと思う。

後半立ち上がり一人のメンバーと岡田監督のちょっとした修正で見違えるようにボールが回り始めた。 前半のうちに修正が出来ないところを見ると、攻撃のリーダーがいないのがはっきりとしている。 その流れを反映するかのようにオウンゴールで先制。 ところがより圧力を強めてきたウルグアイもすぐに同点にしてきた。 この失点は普段やり慣れていないメンバーの連係ミスによるものだから、チームとしての傷にはならないと思う。

ここから再び日本代表のリズムがおかしくなり始める。 ハーフタイムに「もっとシンプルにボールを回せ」とか「一人一人のボールタッチ数を減らせ」という指示があったはずなのに、またしても中盤の底あたりで余計なタッチを増やしている間に攻め手を失い相手に引っかけてカウンターをくらうという最悪のパターンにハマりはじめた。 こうなってはチーム全体として出来る事は少ない。

ちょうどこの試合の前にオリンピック代表の「ナイジェリア×ベルギー」を見ていたので冷静に試合を見比べる事が出来た。 ちなみにこの日の日本代表ではU23のナイジェリアにも勝てないと想像する。

日本の長所は長距離を走り続ける事が出来る。この試合でもそれは出来ていたと思う。 走り負けていたように見えたかもしれないが、あれだけ「ここぞ!」という時にボールを取られてカウンターをされれば走るのも嫌になるというもの。 チームが機能しているかどうかは運動量に大きく影響する。 それからフリーの状態でのパスの精度、止める技術は世界的に問題がないレベルにあると思う。 つまり相手のいない状態、これは練習という事になってしまうが、練習のレベルは世界レベルにあるように思う。 問題はここから。

アマチュアを含めても「サッカー」というものは海外に行くと格闘技の要素が非常に強くなる。 ウルグアイの選手を見て技術的にめちゃくちゃ上手いと感じた人はほとんどいないと思うが、結果としてこれだけの差が出来てしまうのはコンタクトプレーに弱いから。 相手に寄せられても負けない、負けないから視野を確保出来る、視野を確保出来るから冷静にプレー出来る、冷静にプレー出来るからフリーの状態と同じプレーが出来る、と、体が強い、もしくは体の使い方が上手いというのは非常に重要な事。 しかもコンタクトプレーが多いところはその攻撃、もしくは守備の場面で非常に重要なポイントである事が多い。 そこで日本代表は負けてしまう事になる。

そこでオシム前監督や岡田監督が「チャンスそのものを増やすサッカー」に変えようと努力している。 流れるようなパスワーク、前線からの激しいチェイシング。 言葉にすると簡単だが、技術、体力、個人戦術眼、チーム戦術眼と要求されるものが多く非常に難しい。 オシム監督や大木監督が率いたJリーグのチームは非常に面白かったが、あくまで毎日練習出来る環境だったからあそこまで出来たという気がしないでもない。 現実的ではない話が許されるのなら、日本代表候補を選抜し一年間南米とヨーロッパで毎日練習試合をすればワールドカップで予選突破する事はそう難しくないと思う。 その後海外組として3大リーグでプレーする選手も出てくる。 今となってはありえないお話になってしまったので、Jリーガーがこれ以上海外での経験を積む事は難しいと思う。 つまり、ワールドカップでも大した成績は残せないというのが現実的。

結局トルシエ監督が言い残したことで、日本代表の殆どが海外のトップクラスのリーグで活躍できるようにならない事には、日本代表が強くなる道もない。 今はトルシエ監督時代より退化してしまった。 これより先どのようにすればよいのか? それは時間がある程度自由に使えるユース世代にお金をかけるしかない。 その他は今のまま努力するしか出来る事がない。 今の代表に望む事は、ワールドカップまでちょっとしか時間がないが、ヨーロッパもしくは南米遠征最低三回、一回の遠征で出来れば三試合。 このノルマを早いうちにクリアしてほしい。 次は南半球のワールドカップ。つまり冬のワールドカップだから日本にはとても有利。 芝がどうかは始まるまで分からないが、なるべくはやく海外での基準というものを感じるだけでなく当たり前のこととして肌で吸収出来るようになっていないと、恥ずかしい結果を残す事になる。

最後にメールをいただいた「たくや」さん「北村」さん、有難う御座いました。玉田がシュートを打たない問題、岡田監督の体調が悪いのでは?という問題、全く同感です。ご意見ご感想お待ちしております。