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オーストラリア戦後

2月11日

メンバー表・試合結果・環境・観戦記

ポジション 名前 交代 交替選手
GK 都築龍太
DF 田中マルクス闘莉王
DF 中澤佑二
DF 内田篤人
DF 長友佑都
MF 中村俊輔
MF 遠藤保仁
MF 松井大輔 後半12分 大久保嘉人
MF 長谷部誠
FW 田中達也 後半38分 岡崎慎司
FW 玉田圭司
サブ 川島永嗣
サブ 寺田周平
サブ 橋本英郎
サブ 今野泰幸
サブ 巻誠一郎
試合結果 0−0 △
場所 横浜国際総合競技場
時間 19:20
天気 晴れ
無風
気温 8度
選手コンディション 怪我明けの選手などいたが概ね良好
観客 約70000人
注目度 久しぶりの強豪チームが来日した事で盛り上がった
相手のレベル ワールドカップでやられた相手。実力は相手が上。
相手の状況 前日に来日する選手がいたりと緊張感がいま一つ

感想

国歌斉唱時から体格差が非常に気になった。 白人の国、ほぼ黒人の国、アラブの国、黄色人種と様々な人種が混ざり合うアジアのワールドカップ予選。 結果を見るとオーストラリアがアジア予選に入ったのは、オーストラリアにとってとても良い選択だったと思う。 「この国がアジア?」という疑問がぬぐえないが、日本代表にも毎回帰化選手がおり、その帰化選手がポイントになったりしているので、なんとも言えない・・・。

立ち上がり緊張からか一発のロングボールで裏を取る以外普段と違い中盤でボールが回る事がなかった。 ふと日本でやったワールドカップ初戦「vs ベルギー戦」の立ち上がりを思い出した。 まず相手ディフェンスを走らせて疲れさす、という作戦だったかは思い出せないが、この間のフィンランド戦の残像があったのかもしれない。 もちろん若手中心のフィンランド代表と今日のオーストラリア代表のレベルは比べるまでもないので、簡単にはフィニッシュにはつながらない。

そんな状態でも田中達也が裏で受けたボールを中に折り返しニアサイドで玉田が待ち受けるという 日本中が待ち焦がれた「FW二人でフィニッシュまで持っていく」という形でチャンスが作れた。 今まではサイドで起点が作れても、中にはFW一人真ん中にいて三人の大きなDFに挟まれている絶望的な状態しかなかったが、小さな日本人が目指す形の基本であるニアサイドで勝負をするという良い形が見れた。 それだけでは駄目だが、ニアで誰かが潰れないと、マイナスに折り返すクロスも難しくなる。

時間が過ぎるごとに日本の攻撃がいつものように中盤で時間を作りボールキープをする展開に。 それがフィニッシュにつながらない事までいつも通りだったが、オーストラリア代表DFは日本代表がいくらプレッシャーをかけに走っても、ディフェンスラインのパス回しでさえも殆どミスがない。 日本代表が得意なのはセットプレーと前線でボールが取れた時のショートカウンター。 レベルが上がると簡単には通用しない事が良く分かった。 ただ、相手につながれても最終ラインの中澤は強く相手に当たりしっかりと相手を抑えていた。 Jリーグと世界のリーグの違いは分かりやすい所で当たりの強さがある。 中澤は日本にいながらそのあたりをしっかりと理解していると思う。 長谷部や松井、大久保は今海外にいて、そのあたりはしっかりと理解出来ていて、ディフェンスでもボールを持っている時でも安心してみる事が出来た。

前半見ていて感心したのが内田。 いつもありえないような位置でパスミスをしてとんでもないピンチを招く事が多かったが、この日はそういったシーンより得意のスピードをいかして何度もサイドを突破していた。 この年でここまで出来たサイドバックは今まで日本にはいなかったと思う。 まだまだ甘い部分があるかもしれないが、ワールドカップ後には世界のクラブからお呼びがかかると感じた。

後半はコンディションが悪かったり走らされていたオーストラリア代表が先に疲れていた。 オーストラリアの守り方は引いて守るという事を意識しているわけではなく、時間帯によっては前からプレッシャーをかけてきたりと今までのチームとはレベルが違う。 前からプレスにこられた時の日本のボール回しは相変わらず危なっかしい。 きっと今のレベルを持ってしてもアルゼンチン代表と戦うとボコボコにされてしまうことだろう。

さて、オーストラリア代表のセットプレーもなんとか守りきれるという自信をつけた日本代表が後半はオーストラリア代表を圧倒。 そこで松井に変わり大久保が投入された。 相手が疲れてしまえばあとは得点を取るだけ。

ところが、攻めても攻めてもなかなかシュートが打てない。 さらにシュートが枠にいかない。 実際終了後に決定的チャンスだと思いだせるのはエリア外からの遠藤のフリーのシュートくらい。 結局決定的チャンスが作れたかというとそういうわけではないと思う。

この日の日本代表は今までで最高の出来だったと思う。 途中最終ラインからのつなぎで寒いパスミスがいくつかあったが、そんな事はあと一年もやっていれば解消出来ると思う。 岡田監督は見事なチームを作った。 出来る事は全てやったのではとさえ感じた。

ただ悲しい現実を少し感じた。 ワールドカップの時と比べて日本代表とオーストラリア代表の差はさらに広がっていると感じた。 これはアウェイでのオーストラリア戦を見れば分かると思うが(その時にはすでに両チームの出場が決まっているかもしれないが) 日本代表は「タレント」という面であの頃より何かを起こせる選手が足りない。 それはあの時出場していたメンバーで今引退してしまった選手、中田英寿が足りない。 そして久保もいなくなってしまった。 前線にボールが渡っても何を期待したら良いのか見ていて分からないし、希望が湧かない。 それは岡田監督が悪いのか? 僕は日本にそういう選手がいないのだと思う。 そしてそれをどうやって解決するのか? 岡田監督はチャンスの回数を増やすのみと答えているが、それだけでは足りない事は分かっていると思う。 ではそれらしい帰化選手は? そういった国籍の移籍も今回は難しい。

今回もメールを頂いたがその方はとにかくディフェンスも含めワールドカップまで一生懸命シュートの練習をしようと。 その通りであり、それ以外に出来る事はない。 ただ、プロになるような選手は普通の人間から見ると異常に見えるくらい練習をしてきている。 そして、今から練習してもさほど上達しない事も良く分かっていると思う。 また、かかえている怪我などもあるだろうし、Jリーグの試合もある。 海外の選手はこの試合に勝てなかった事を悔しがっていた。 国内の選手は通用する事が分かったと言っていた。 意識の差という問題もある。

釜本さんが言っていたことだが、まずはシュートまでの形を作る事。 ディフェンスがいても打てるような形。 それからシュートの練習をする。 そしてそれは二つで一つだと。