試合結果 |
1−1 △ |
場所 |
横浜・日産スタジアム |
時間 |
19:35 |
天気 |
曇り |
風 |
無 |
気温 |
20度前後 |
選手コンディション |
先日の死闘や移動でやや疲れ気味 |
観客 |
約50000人 |
注目度 |
W杯出場が決まり凱旋という感じになった |
相手のレベル |
体の強さはあるがそれ以外の部分では足りないものが多い |
相手の状況 |
W杯出場をかけて必死、チームを一変し若いチームとして作り直している |
感想
いよいよ梅雨に入るかという少しの晴れ間の中で、W杯出場凱旋試合的なニュアンスでテレビ的には試合が行われた。
出場停止のメンバーが長谷部、長友、怪我を抱えている遠藤が離脱。
岡田監督はW杯本番でこうなった時、選手はどう反応するのかというところのチェックになるだろう。
スタッフも選手もどうやって遠藤と長谷部の穴を埋めるのかと考えていたと思う。
ある程度日本代表を見続けてきた人であれば想像に難くないと思うが、ボランチに入った阿部も橋本も自チームで攻撃の中心となる選手ではない。
かつ左サイドバックに入った今野も似たような選手。
しかしチームのコンセプトはいつも通りやる事になっている。
いくら相手がカタールとはいえW杯に出るのに必死な相手にうまくボールが回るのかという、そこがこの試合のポイントだと思った。
ところが開始二分、相手のセットプレー崩れから中村俊輔が素晴らしい判断で右サイドを走り抜けた内田へパス。
そこから速いクロスが入ると相手のオウンゴールを誘い日本が先制。
予想外の展開に誰もが喜んだ。
ところがここから先日の試合のビデオを見ているかのような展開に。
阿部や橋本、今野といった選手の本能のアンテナが守りに入った。
カタールはスイッチが入りリスクを冒して攻めてくる。
それに対し日本はリスクを冒さないようにプレーするボランチ以下と前線が分断された。
日本の攻撃は前線の選手は当然の事として、それに加えサイドバックのどちらかとボランチのどちらかが上がる事によって構成されている。
サイドバックは内田がその役割の多くを担う事になるだろうが、ボランチでは橋本にその期待がかかっていたのだと思う。
しかし橋本は阿部と縦の関係が作れなかった。
それにより攻撃の組み立て自体に問題が起こり、中村俊輔が一度下がって受けに来たり、また中村憲吾が下がったりする事になった。
前線の枚数が少なくなると当然キープ率が悪くなる。
キープ率が落ちると後ろの選手は思い切って上がる事が出来なくなる。
自然と運動量が落ちる。
そうなると日本の目指すサッカーは実現出来ない。
しかしW杯本番で希望するメンバーが組めない時こうならざるを得ない。
相手がカタールなのでそれに合わせて、もっと攻撃的な選手を配置してやり方を変える手段はあったと思う。
しかしW杯でカタールレベルの相手はいないと想像するのが自然だ。
このレベル相手に例え控えのメンバーだとしても、自分たちのやり方が出来ないようであれば駄目だという考え方で、その場限りの修正はしなかったのだろうと思う。
後半半ばに、ほぼセンターバックのような阿部を交替し、個人で打開しようとする松井、本田という選手を入れ、問題のボランチには中村憲吾を下げた。
相手がカタールではなく、ブラジルだと想像しよう。
橋本と中村憲吾のボランチで攻撃の芽を摘めるか?
松井や本田が個人の力でブラジルディフェンスを切り裂けるか?
実際カタールのディフェンスでさえも崩せたかというとかなりの疑問がある。
カカにしてもクリスチアーノ・ロナウドにしてもメッシにしても上手い。
ただ、技術だけで考えれば日本でも中村俊輔のような選手はいる。
では彼らと中村俊輔の違いは何か?
それは速さであり、パワーだ。
そんなものは松井や本田が一年間陸上選手になったとしても追い付かない。
中田英寿でさえパワーこそトレーニングで身につけたもののスピードがない為に自分がペナルティーエリアを切り裂く事は出来なかった。
ペナルティーエリアでは活かされる選手だった。
本田のミドルシュートを打つという意識は評価出来るが、松井のドリブルでペナルティーエリアに入るという考え方は評価出来ない。
日本にとって大切な事はやはりコンビネーションの確立、シンプルにプレーする事だと思う。
いつの日か得点パターンとしてワンツーでゴール前に抜け出すシーンが見たい。
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