試合結果 |
2−1 ● |
場所 |
メルボルン(オーストラリア) |
時間 |
19:20(日本時間) |
天気 |
不明 |
風 |
不明 |
気温 |
10度前後 |
選手コンディション |
メンバーによりややばらつきがある |
観客 |
約70000人 |
注目度 |
W杯出場が決まったがオーストラリア相手にどのくらい出来るのかという見方になった |
相手のレベル |
怪我人等ややメンバーが抜け1.5軍のようだが、ヨーロッパでプレーする選手で構成されている |
相手の状況 |
ややお祭り的な感じがあるがホームなので勝たなくてはいけない試合 |
感想
日本は梅雨に入り早速ゲリラ豪雨に見舞われたが、オーストラリアは冬。
選手達のほっぺたが赤く相当寒いようだ。
この試合はワールドカップアジア予選最終試合。
お互いに出場は決めておりややテストの感が強いが、控えのメンバーにとってはとても大切な試合。
また、オーストラリアにとってはホームの凱旋試合でもあり、派手に勝たなくてもよいが勝つ必要がある試合。
オーストラリア、日本ともに疲労の濃い選手、怪我を抱えている選手は試合を見送り「1.5軍」のようなメンバーで戦った。
中村俊輔に変わり松井、遠藤に変わり今野、長谷部に変わり橋本、中澤に変わり阿部。
中心的選手が変わっておりこのメンバーで確認できる事は、チームのコンセプトが全体に浸透しているか、控えメンバーでレギュラーを脅かす選手がいるかの二点になると思う。
序盤からワールドカップが再現されたような、ボール支配率は日本が高いもののバイタルエリアに入れずハイボールは全て弾き返されるという、あれから三年経ったが大きな部分はお互いに変わってないという前半。
先日のカタール戦で試された阿部と橋本のコンビは完全に破綻していたが、この日ボランチに入った今野が思わぬ収穫だった。
駒野、阿部、少し前だと加地のように起点となるべき時に判断が出来ない選手に分類されてもおかしくない選手だった今野。
FC東京がナビスコカップで優勝した試合で素晴らしい活躍をしていたが、今日のプレーはそれに勝るとも劣らない出来で、周りがパタパタ倒される中で体を張り、攻撃では吹っ切れたように見事にボールを散らしていた。
こちらから見ていると、そんなに周りの空気を気にする必要はないと思うのだが、新しい環境だとなかなか本来の能力を発揮出来ない。
しかし今日は主体的にボールを受けシンプルにプレーするという岡田監督のイメージとリズムを作り出した。
あらゆるボールを中で弾き返され埒が明かない攻撃を繰り返していた日本が前半も終わろうかという時間にコーナーキックからトゥーリオがドンピシャのヘッドで先制。
中村憲吾の完璧なボールとトゥーリオの強さだけで日本が先制した。
これには驚いたがワールドカップではこの後怒涛の攻撃を受け沈没しただけに後半が楽しみになった。
その後半、やはりと言うべきか、トゥーリオの疲れに比例しだんだんとロングボールがクリア出来なくなる。
これもワールドカップで同じ展開だった。
ただ役割の大きさを考えるとトゥーリオはよく頑張ったと思う。
日本はセットプレーから2失点する。
これも三年前に見た。
さて、日本代表はどうだったろうか?
選手の年俸の合計が比にならないのでオッズの通りの結果だろう。
恥じるような結果ではない。
ではコンセプトはどうだったろうか?
今野というピースがうまくはまりなかなか良かったと思う。
しかし、個人的に考えるサイドを深くえぐりマイナスのクロス、もしくはニアに速いボールを入れる。
これはほとんどなかった。
MFがミドルシュートを打ちキーパーがファンブルしたボールを狙う、または、ミドルシュートを打つことによりディフェンスをおびき出しディフェンスの裏を狙う。
バックパスのようなシュートやクリアしたようなシュートはあったが、キーパーが冷や汗をかくようなシュートは殆どなかった。
この点は個人の力量不足とコミュニケーションが足りなかったと感じた。
ディフェンスでロングボール対策はどうだったか?
中澤、もしくはトゥーリオが怪我をしてワールドカップを欠場するような事になれば、その時点で日本のワールドカップは終わるだろうと感じた。
では変わって入った選手たちは?
松井は悪い選手ではないが、足が遅く体も強くない。
ドリブラーとしては致命的で、抜いても抜いても相手がついてくる。
味方のフォローなくして存在出来ないドリブラーは岡田監督の構想にはないだろう。
疲労でディフェンスに戻れなくなり矢野と交代になった。
橋本は前回もかなり疑問が残ったが、今回もチームのやり方に慣れていないのかガンバで見せるプレーはあまりなく消極的な印象が残った。
阿部と中澤を比べるのは酷だが、阿部が生き残る道はそこかサイドバックしかない。
地上戦では非常に良かったが、あと一年で身長を5センチ伸ばす事は不可能だ。
あと一年、選手達に出来る事は簡単で練習あるのみ。
岡田監督は何をするのか?
それは新しい選手の見極めになる。
今回は帰化選手という裏技はなさそうだ。
手品がないのならばレギュラー選手をJリーグで探す事は無駄になる。
今日出場した控えの選手たちはレギュラーを脅かす事ができたか?
できていないのなら探さなくてはいけない。
香川、乾、金崎、槙野、森重、山田その他まだベールを脱いでいない宇佐美、森本など、一枠か二枠は空きがあるのではないだろうか?
今日一番驚いた事は小学生からこのサイトあてにメールが来た事だが、起用法を間違う監督は変えた方がよいという内容だったが、恐らく監督を今から交替するなら日本の選手を良く知るJリーグの監督しかいない。
ただ残り一年、試合数にしてあと何試合スパーリングが出来るか分からないが引き受けてくれる人は殆どいないだろうと思う。
また、日本が今日負けたのは日本代表が弱いからであって、それは監督やサッカー協会、ひいてはJリーグのせいでも日本人のせいでもない。
歴史がないだけだ。
今回のワールドカップではBEST4を目指しているが、そんなものはまず無理だというのは誰も否定しないだろう。
私的に感じるのは現実とその言葉を照らし合わせた時「そのくらいの志を持って相当な努力でもしないと、今回のメンバーでは前回以上にワールドカップでまともに戦えない」そんな悲しい響きが含まれているように聞こえる。
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