試合結果 |
3−0 ● |
場所 |
オランダ・エンスヘーデ |
時間 |
21:00(日本時間) |
天気 |
晴れ時々豪雨 |
風 |
不明 |
気温 |
18度前後 |
選手コンディション |
Jリーガーは久しぶりのヨーロッパ遠征になる |
観客 |
約15000人 |
注目度 |
日本代表が久しぶりに強豪と戦うという事で興味を持たれていた |
相手のレベル |
FIFAランク3位のTOPチーム |
相手の状況 |
ホームでの試合なのでコンディションに問題なし |
感想
久しぶりの代表戦、そして本当に久しぶりのヨーロッパ遠征。
この試合の直前で楢崎が怪我をしてしまい離脱、そして救世主として期待をされた森本も怪我で離脱。
しかし岡田監督が突き詰めてきたサッカーが強豪相手にどのくらい通用するか、それが最大の関心だったと思う。
第二キーパーの選択が都築ではなく川島であった事に少し興味を持った。
とにかく愚直に練習をする川島が一歩ずつ階段を上がっていく事が嬉しい。
本田が先発を外れたのはチームコンセプトを考えれば当然の事だったと思う。
試合開始から日本代表はいつもの強烈なプレスを開始。
立ち上がりから前半終了までオランダ代表相手でもパスをつなごうという意図のあるチームを分断出来る事を証明した。
体格的にはプロと高校生が試合をしているようにも見えるハンディがあるにもかかわらず、俊敏さと連続動作の継続性、真面目さという日本人の持つ特性を活かしたサッカーだと感じる。
相手がレッドカード覚悟のファールをするくらい自由にさせず、中盤での争いは日本の勝利だったと思う。
ただいつもの事ではあるが、相手ゴールキーパーに「怖い」と感じさせるような、そういうミドルシュートや崩しというものがなかったように感じた。
オランダの選手と比べる事自体少しかわいそうではあるが、オランダ代表はペナルティーエリアの外だとしても「自分の形」というものに持っていかれた時の怖さは本当に凄い。
そして、そこに運ぶまでの「止めて蹴る」の大切さは本当に勉強になる。
後半頭から玉田に変わって本田が入ってきた。
しかしオランダでのプレーを見る限り日本代表に必要とされるプレーヤーには見えない。
誰しも感じているようにディフェンス時の運動量が圧倒的に少ない。
そんな事は当然知っての上で起用している岡田監督が何を考えているのか、それを中心に見ていた。
少しずつ崩れていく日本のプレス、ボールを持った状態で何も出来ない本田。
徐々に押し込まれコーナーキックから失点。
残り20分くらいで中村憲吾に変わり興梠。
しかし流れは変わらないどころかますます泥沼に。
ただ、この試合とは関係ないが、仕事として大切な欧州への売り込みはアピール出来ていた選手もいたと思う。
全体的にもう少し落ち着いてプレーする必要があるだろうが、あれだけ走れてテクニックがあるなら面白いと感じたスカウトマンもいたのではないだろうか?
試合後のインタビューで選手皆が語っているように、プレスは一か所でもほころびが出ると意味がない。
また、ほころびが出るとカバーする為にもっと走らないといけなくなる。
スタミナが切れたのか、「あいつ何やってるんだ」というモチベーションの低下が原因か分からないが、残り15分の時間は完全にオランダ代表の時間だった。
こういう事になるのは監督選手コーチみな分かっていた事だと思うが、あえてそれをした理由は何か。
プレスは全員サボらずにやる事が大切だというチーム全体への意識付け、チーム内での本田の求心力の低下、本田自身の慢心を消す、マスコミ経由の点さえ取ればいいという民意を削ぐ、本当に本田は通用するのかという岡田監督の疑問の払拭。
結果は大方の予想通りで3−0で負けたが、前半のままだったら非常に興味深かった。
日韓ワールドカップ時の韓国のコーチがヒディングから教わった事として、ワールドカップのような短期決戦ではとにかくどのくらい走れるかが大切だと。
重要な親善試合の前の日でもフィジカルトレーニングを重ねていたと言っていた。
確かにこの試合でも90分プレスをかけ続ける事が出来ればオランダ代表のボールポジションは相当低くなっていたと思う。
黄色人種の目指すサッカーとは毒を持たない蛇のような、とにかく相手の息が切れるまで絞め付け意識を失ってから食べる、そんな華麗とは言い難いサッカーなのか。
得点力などという毒牙はそもそもないと。
|