試合結果 |
4−3 ○ |
場所 |
オランダ・ユトレヒト |
時間 |
19:00(日本時間) |
天気 |
晴れ |
風 |
不明 |
気温 |
20度前後? |
選手コンディション |
おとといの疲れがあるが悪くはない |
観客 |
約2500人 |
注目度 |
現地では平日のお昼という事で殆どお客さんがいなかった |
相手のレベル |
ここ10年で駆け上ってきたアフリカの強豪チーム |
相手の状況 |
ワールドカップ予選が終了したばかりでやや疲れが残る |
感想
最近は夜が涼しくなってきてサッカーには絶好のコンディション。
先日のオランダ代表との体格差はプロと高校生という感じがしたが、今回はラガーマンと一般人のような越え難い体格差。
想像はしていたが実際に並ぶと、そういった部分で勝負してはいけないと、現在の日本サッカーの方向性の正しさを実感した。
先日のオランダ戦で思った事だが、小野をスカパーで見ていた頃、代表監督であるファンマルバインクは当時のフェイエノールトの監督。
カイト、ファンペルシーもフェイエノールト、ルーフェンスもひよっこディフェンダーとして出ていた気がする。
ユトレヒトは藤田が在籍していた時によく見ていた。
藤田はまだしも、みなが出世していったフェイエノールトの中で今の小野を思うと、少し寂しい気がした。
さて、この試合は結果を知ってから見たので冷めた目で見た。
立ち上がりのディフェンス。
いつもであれば取れる所でボールが取れなかったりと、予想以上の当たりの強さ、スピードにややびっくりしている感はあったが、日本が続けているプレスはこのレベルでも通用していると感じた。
サッカーに必要なフィジカルの全てをほぼ最高レベルで持っている彼らに、ある程度ボールを運ばれるのはどうしようもない事。
相手のサイドの選手にやや技術的に怪しい選手がいた為、そこから日本の攻撃が始まった。
日本の攻撃はいつもと違うメンバーがいたにもかかわらず、これも予想以上にスムーズだった。
しっかりとラインを上げてプレスにくるガーナの裏を狙い何度か決定的なチャンスがあった。
「前半に決めないといけないチャンスがあった」と岡田監督が会見で言っていたが、決定的チャンスの数では日本が上回っていたのではないだろうか?
ガーナの欠点はディフェンスの裏にある、ミーティングでそのような事を話していたのだと思う。
しかし前半30分頃先制したのはガーナ。
長友の寒いハンドからPKを取られしっかりと決められた。
ここからガーナは戦い方を変える。
一度自陣に引いてFWへロングボール。
これが後半効いた。
後半始まって早々に相手GKのパントキックが中澤とギャンの絶妙な位置に落ちた。
ディフェンスはなんとしても先にボールに触らなくてはいけない。
落下地点予測、足の速さ、ポジショニング、当たりの強さ等を相手との関係で計算してクリアするわけだが、中澤の判断が中途半端になってしまったと思う。
一度相手にキープされた中澤は相手の背後にポジションをとった。
が、相手はそれをプレッシャーに感じず横にボールを運びそのままシュート。そしてゴール。
ヨーロッパの試合をよく見ている人は中澤の寄せの甘さが気になったと思う。
二つのミスが重なって失点した。
中澤にとって、またこういったシーンでは中澤よりルーズなトゥーリオにとっても財産になったシーンだと思う。
個人的にかなり落胆した失点だったが、一息ついたガーナ相手に日本が反撃する。
このガーナ戦、オランダ戦との大きな違いは、ここからリスクを取り人数をかけて攻撃をしたという点。
オシム監督率いるジェフのような、そんな雰囲気があった。
相手の慢心と日本の前への圧力でリズムをつくり、すぐさま中村憲吾がゴールを決め一点差になった。
それでもロングボール一発が日本にとても有効だという事を学んだガーナはトップでボールをキープしなかなかリズムを渡さない。
長谷部に変わり久しぶりの稲本が入った。
そして後半20分頃、リスクを犯し後ろがマンツーマンになっているところを、今度はトゥーリオが裏を取られ3失点目。
リスクをとっているので仕方がないで済ますのか、スタミナとスピードに劣るトゥーリオは、トレーニングの質と量を増やすのは当然として、スタミナ配分を考えながら攻撃参加するとなるのか、自分で感じる所があったと思う。
相手を走らせないポジショニングの修正をする、スタミナがあればこういった注意力のミスというのはあまり起きない事。
その前にDFがラインを上げている時にはもっとしっかりプレスに行くという事は大切。
そのプレスに行っていた選手が中澤。
日本で最高のディフェンダーと考えられている選手達との二対二を制してガーナが追加点を取った。
直後に中村俊輔に変わり本田、前田に変わり玉田。
交替直後からオランダ戦で岡田監督の罠にはまった本田がしっかりとプレスをしていた。
そして後半30分、信じられない運動量の長友が相手コーナー付近でボールをカット、それを玉田が押し込んで再び一点差。
長友には色々なスカウトが唾をつけているだろうと思う。
取られたボールを再び取り返した時がチャンスになるという良い例。
続けざまに強いフィジカルと正確無比なロングボールを持つ稲本が岡崎へピンポイントクロスで同点。
さらに今度は稲本自身が得意のミドルシュートでしっかりとコーナーを狙ってゴール。
この時ゴール前で数的優位を作り本田を余らせてのゴールだった。
人数をかければゴールは取れる。
ガーナと日本の打ち合いは日本が制した。
相手に疲れがあったとか、ベストメンバーがどうのという話は、日本もアウェイの地であり、テストの意味合いの強いメンバーであったと思う。
それより忘れてはいけないのは、ロングボールからの失点後日本にも相当なピンチが何度もあった事。
監督としてはこんなギャンブルのような事はあまりしたくないと思う。
なるべく人数をかけずに効率よく点を取り、リスクを最小限にして勝つのが望ましい。
今日の3失点ともいらない失点だった。
色々と勉強になった遠征だと思うが、課題が出ただけで克服されたわけではない。
意識を高く持って頑張ってほしい。
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