タイ戦前日
6月13日
■ どうしても勝たなければいけない試合だと思っています
- はじめに
- 明日の試合は、われわれにとってどうしても勝たなければいけない試合だと思っています。少々けが人、出場停止の選手が出ていますけれど、今この長いキャンプをしていく中で、チームが非常にひとつにまとまって、本来のチームになってきたという感じを受けています。その(出場できない選手の)穴を、チームが団結することによって埋めていけるだろうと思っています。(バンコクは)オマーンに比べてかなり気候も涼しいので、アグレッシブなサッカーをしていきたい。タイも、われわれと似たスタイルのサッカーをしているので、非常に激しい試合になるでしょう。それを何とか競り勝ちたいと思っています。
- 中村俊輔は出場できそうか?
- 紅白戦自体は短い時間しか出場していないですが、プレー自体は問題なく、彼らしいプレーができていたとは思います。ただ練習の後、やはり痛みがかなりあったようで、今日これから戻って、ドクターやトレーナーから報告を聞いて方針を立てます。できるようだったら今日もやってもらって、そのパフォーマンスによってどうするか決めたいと思います。
- 「本来のチームになった」ということだが、具体的にどういうことか?
- これはフィーリングの問題なので“具体的に”と言われても難しいんですけど、これだけ長期で一緒に生活していく中で、いろんな環境の変化になじんでいく。そういう中で、得てして外れていく者がいたり、イライラしたりとかが起こるものですが、チームは非常に明るく、食事の時もみんなずっとしゃべっていて、なかなか戻らない。そういう意味で、仲良しグループというわけではないですが、ある程度、意志のコミュニケーションが取れる状態になっているという感じを受けています。ただこれは、あくまでフィーリングの問題です。
- チームキャプテンは中澤に決めているのか?
- チームキャプテンというのを、どの時点で設けるのか。当面、代表チームというのはどんどん顔ぶれが変わっていくわけですから、例えばアジアカップやワールドカップなど登録メンバーが決まった時点では、チームキャプテンを決める必要があると思います。ですが現状、チームキャプテンは決めるつもりはなくて、その都度ゲームキャプテンを決めています。能活なんかは今のところチームキャプテンとは言っていませんが、試合に出ていませんけどキャプテンシーを発揮しています。空港でも荷物を一番に降ろしてくれたり、いろんな手伝いをしてくれている。そういうものが、別にキャプテンを決めなくても自然にチームのみんなが見ていますから、そういうリーダー的な存在になっていくんじゃないかと思っています。
- オマーン戦以降、いろいろなボールを練習で使っているが、本番でどのボールを使うか把握しているか?
- ボールについては聞いています。急きょボールが変更になったので、タイで取り寄せて使っていますので、問題はありません。フィールドプレーヤーはそれほど問題はないと思いますが、GKは少し飛んでくるボールの変化の具合が違うので。それも今まで使ったことのあるボールなので、大きな問題はないと思っています。
- ここで決めたいだろうが、なかなかアウエーで勝ち星が挙げられていないことについては?
- 向こう試合がどうなるとか、ここで決めたいとか、正直そんなことは考えていません。明日の試合に勝つこと。アウエーで1敗1分け、まだ2回しかやっていないし、僕は数字はあまり気にしていないです。ただ明日の試合に勝つこと。われわれにできるのはそれしかないので、明日の試合のことしか考えていないです。
- オマーン戦の前日会見に出席しなかったことでごたごたがあったが、今回については?
- この前は全く聞いていなかったですし、日本の協会自体が全く聞いていないと。オマーン協会は伝えたと。どっちが正しいかは知りませんよ。しかし日本サッカー協会は、会見は別の場所でやるということを全く聞いていなかったということで、私には伝わっていなかった。ですので、拒否したわけでも何でもない。そういうことも伝わっていないんですか? われわれが拒否したと思っていたんですか?
- バーレーンもオマーンもバンコクで勝っていることから、アウエーで勝つことを意識しているのか?
- バーレーンやオマーンが勝っているからとか、相手の結果がどうこうではなくて、勝ち点上、上に行けないんでね。ここではやはり、勝たなきゃいけないと思っています。
- 体調不良でリザーブから外れていた鈴木や巻はもう出られるのか? 内田はすでに出ているが
- 内田に関してはいないというのもあるので。ただ十分にできると思っています。啓太に関しても、かなりフィジカルというか、コンディション的に持久力的なものは戻ってきていると思います。ただプレースタイルの中で、本人がどうしても最後の足が出ないという感触が残っていると。ただ、彼に関してはプレー以上に、このチームにとっては精神的、声を出してチームをまとめるとか、どうしても欠かせない選手。おそらく本来のベストパフォーマンスにはなっていないと思いますけど、彼にはサブに入ってもらっています。巻も下痢などで苦しみましたが、彼は下痢をしても体重が減らなかった唯一の選手なので、大丈夫だと思います。
- メンバーの年齢構成が幅広いが、若い選手が入ったことでチームは活性化しているか?
- 日本でやったタイ戦や、東アジア選手権の時の選手の平均年齢は28歳くらいで、本大会に行ったら30歳を超えると。これは大変なことだと感じている中で、徐々に若い選手の力は必要だろうと思っていました。そういう中で、若いから入れたのではなくて、キャンプに呼んだら本当に若い選手の中に力のある選手がいたということで、僕は年齢で若いから、年寄りだからという見方はしていません。その中で、年齢の高い選手も若い選手を本当に温かく受け入れてくれている。そういう意味でも、いいチームだなと。若い選手が伸び伸びとプレーできる環境になっている。それはもちろん、上の選手にもある意味、淘汰の刺激になっているとは思います。
- 試合に出られない大久保を帯同させたプラス面は?
- 一番の理由は、帰国しても神戸の練習がオフなのでね。バーレーン戦に出られるとなったときに、急に呼んで合流してもコンディションがよくないだろうというのが一番の理由です。それプラス、先ほど言いましたように、チームはいい雰囲気でひとつにまとまっているときに、自分は関係ないから帰りますというのはあまり好ましくないかなと感じました。まあ嘉人も、それほど影響力がある男ではないですけど(笑)、あのやんちゃなやつが、しおらしく一生懸命チームのためにやっているということは、きっとプラスになっていると思います。
- タイとの戦いでは、高さを生かす方向で考えているか?
- もちろん考えています。ただし高さを生かすことが、われわれのコンセプトをつぶすことになれば、それを使うつもりはありません。ですが、その範囲内で当然、高さ、セットプレーといったものを生かしていかないといけないとは思っています。
- キリンカップ以降、GKを楢崎に代えたメリットは?
- メリット、デメリットで代えているわけではなくて、今、勝つためにベストのメンバーを考えたときに、楢崎が上だということで彼を先発で使っています。能活には、それなりの話をちゃんとして、彼はそれを受け入れて、もちろん選手として「自分もいつかは」というトライはしてくれています。それプラス、チームのために、ということをやってくれている。それは僕にとってものすごく、またはチームにとってありがたいこと。彼の存在はものすごく大きいと思っています。
- これまでの前日会見の中では、今日は最も長くしゃべっているが、心境の変化があったのか?
- 誰も終わらせてくれないから(笑)。いつもだったら「ラストクエスチョン」で終わらせてくれるのに。別にしゃべりたくてしゃべっているわけではない。(広報が「では、そろそろよろしいでしょうか」)遅いんだよ(笑)。
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