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イエメン戦後

1月20日

■ 正直あまり策を打ちたくなかった

はじめに
選手は、試合前から非常にやる気に満ちていて、モチベーションも高くて、今日はかなりハードワークしてくれると思っていました。確かにハードワークしてくれたしやる気もあったんですが、立ち上がりで簡単に点が取れて、相手がダブルリベロみたいな感じでディフェンスを固めてきました。中盤で(味方の)サイドバックがフリーになって、簡単にできるように思えてきて、だんだん一発狙いや強引な突破が増えてきました。それとともにやる気が裏目に出て、中盤からものすごくスピードアップしてミスが出る、または、そのスピードのままでいくので、最後に詰まってしまうというような形が出てしまいました。
後半、立ち上がりに1点取られて、正直あまり策を打ちたくなかったんですが、ちょっと(選手が)自分たちだけで解決できそうになかったので、システムを変えて中盤を厚くする形にして、だいぶ流れは出てきました。しかし相手も国を代表しているチームなので、必死で守ってくるとなるとそう簡単にはいきません。「入った」と思ったシュートでもかき出される。これが国際試合の公式戦というものだと思います。
そういう意味で、経験の少ない選手たちがその厳しさを分かっただろうし、ボールを持ってから何かしようとしても遅いというのも分かったと思います。その上で、勝ち点3を取ってくれたということで、わたしとしては満足しています。まだまだやるべきことがあるのは当然分かっていますが、1月10日から、恐らくオフの間も練習して(合宿に)臨んでくれて、素晴らしいキャンプになりました。そして、そこで結果を出した選手たちには、本当に感謝しています。
後半の巻投入の意図と評価は?
後半、相手が1点を取ってから、ゴール前を固められました。なかなか中央からの突破が難しいので、サイドからの突破になる。それから中盤をダイヤモンドにしたことで、サイドバックがかなり上がれるようになったのでクロスボールが上がる。そうなると巻の高さとクロスに突っ込む迫力が生きるだろうということで、巻を入れました。ご覧のように、巻が入ってすぐのコーナーキックもそうですし、彼が飛び込んでくれることで、だいぶ相手も混乱していたと思います。こういうきっ抗した試合では、経験のある選手というのは、非常にありがたい存在。その意味で、今日の彼のプレーには満足しています。
1ゴール1アシストした岡崎の評価は? また、若い選手にもチームコンセプトがある程度浸透したことについての、代表全体の意義については?
岡崎に関しては、試合が終わってみんなから「ハットトリックだったね」と言われていました。4点くらいバーやポストに当てていましたから。今日は足元にボールが入ってから何かプレーしようとする選手が多い中で、岡崎はクロスボールに入っていくだけでなく、ボールを受ける前にも動いてくれる選手。その意味で、今日の彼の存在は、(ゴールは)1点だけでしたが、非常に大きかったと思います。
代表で僕は何かを教えているわけではないし、学ばせているわけでもないですが、少なくともボールを取られた瞬間にディフェンスに入る切り替えの早さ、そして取り返しにいくということを、ほとんどの選手が理解してやってくれたということは、大きな収穫だったと思っています。
DF陣にけが人が多い中で失点したが、課題と反省は? それからVVVの本田圭佑が招集されたと報じられたことについて
DFが大きなミスをすることもなかったので、中央の2人(寺田と高木)と青木で守る形は安定していたと思います。あのセットプレーでの1点に関しては、その前の香川のボールの取られ方が悪かったところに尽きると思います。その意味で、ディフェンスに何か課題があったかというと、あまりチェックはできなかったです。
本田に関しては、早いですね(苦笑)。どうしても海外でプレーする選手は中盤に集中していて、海外の選手を集められるのは今のところ(ワールドカップ予選の)オーストラリア戦(2月11日)の2日前ということになっています。それまでわれわれは、バーレーン戦(1月28日)とフィンランド戦(2月4日)を戦っていかないといけない。合宿している中で、どうしてもそこのポジションがちょっと物足りなかったので、今海外でやっている選手で、コンディションが良くて試合がない選手と。
彼に関しては、前に招集しているし、予選にも出ていますので、われわれのやり方は理解している。そしてビデオでチェックしていたんですが、以前よりも運動量があって、コンディションもよくなっているので、今度のバーレーン戦に出してもらえないかと(クラブに)お願いをしておきました。そうしたら、(試合はあるが)出していただけるということなので、非常に感謝しています。
8日後にアウエーでバーレーン戦があるが、メンバーをどう考えているか?
もちろん今回、1月10日に集めたメンバーでバーレーン戦のメンバーはある程度は想定しています。というのも、22日に集合するメンバーには、あらかじめ伝えておかないとコンディションを作っておいてもらえないので、ある程度は伝えてあります。そういう中で、遅くまで天皇杯をやっていたり、クラブワールドカップをやっていたりで集められなかった選手を集めて、それと今回の合宿の中で良かった選手ですとか。大体、ここまで10日くらいやってきてめどが付いたので、それを合わせたメンバーでいこうと思っています。
選手には「明日メンバーを発表するけど、入らない選手も何人かいる。そこであきらめたとしたら私としても残念だけど、われわれの目標に向かって本気でチャンレンジする気があるなら、もう一度チャレンジするように」ということは伝えてあります。
前半は1点しか取れかなかったが、この流れをどう思ったか。それからハーフタイムに選手にハッパを掛けるようなことはあったか?
最初にも言いましたように、前半に関しては立ち上がりは結構良かったんですが、だんだん「行ける」という雰囲気になって、パスを探してから受ける、受けてから動き出す、または一発狙い(のプレーが多くなった)。それに加えて、中盤から非常にスピードアップして、スピードアップすれば当然ミスが出るし、最後のところでスピードアップする効果がなくなる。
ハーフタイムでは、中盤でもう少し早くサポートして、シンプルに(ボールを)動かすようにと。相手は2枚(守備で)余っているのだから、ごり押ししても(突破は)難しい。サイドを変えて、そこで爆発的なスピードアップをしようというような指示は出しました。彼らは戦う気持ちはありましたし、非常に頑張っていたので、ハッパを掛けるということはなかったです。
1月の試合はいつもコンディションが悪いが、今日は今までと比べて良かったと思う。その原因と評価は?
それはキャンプの打ち上げでもお話したように、このキャンプが(11月19日の)カタール戦のころのメンバーで行っていたら、ここまでいいキャンプができただろうか。恐らく無理だったと思います。そういう意味で、新しい選手、経験の少ない選手が多かったので、非常にいい状態で集合してくれた。それとともに、何とか代表でやってみたいという、ものすごく強いモチベーションを(選手たちに)感じました。練習が非常にスムーズで、大きなけが人も出なかった。この時期にここまでできたのは、選手たちのやる気、そして準備してきてくれたこと、それに尽きると思います。