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バーレーン戦後

3月29日

■ じゃあどうするんだ、というところから僕らは始まっています

はじめに
試合前から今日はタフで激しい試合になるだろうと。ワールドカップ(W杯)予選で勝ち点3を取ることは、そんなに簡単なことではないよ、と思っていたが予想通りでした。そんな中で選手たちは、今日の試合前のミーティングではほとんど何も言わなかったです。今回のキャンプを見ていて、何も言う必要はないと。それとともに、余計なことは言わない方がいいだろうと思って(試合に)送り出しました。選手たちが自分たちで今の状況、相手の戦い方、そして自分たちの強みは何かということを自覚して戦ってくれました。素晴らしい試合をしてくれたと思っています。このチームは時々しか集まれないにもかかわらず、集まるたびに少しずつチームになってきていると感じています。ただ、われわれはまだ何も得ていないわけで、またわれわれはもっともっと質を高め、より強くなっていかなければならないと思っています。ただ最後まで頑張ってくれた選手たちには感謝したいと思います。
中村俊輔のFKが決まった瞬間に何を感じたか? 「蛮勇になるな」ということで、次へのシフトを考えていたのではないか
1点だけだと何が起こるか分からない。もう1点取りにいく姿勢は変えてほしくなかったので、自分の中で何も変更するつもりはなかったんですけど。交代は戦術的な交代よりも、けがや運動量という意味での交代で、時間によっての戦い方も彼らはできていました。セットプレーで1点取れれば、というのはずっとあったんですけど、それが運良く入ったことが大きかった。ただ入ったからといって、何かを変えようとは思わなかったです。
前半、あれだけ攻めていて崩せなかった。ハーフタイムでどのような指示を?
相手が10番(サルミーン)のワンボランチで、遠藤と長谷部のところで(ボールを)回すと10番が出てきて、バイタルエリアが空いてくるので、選手たちがそこを突いていったと。そこは全く問題がなかったんですが、バイタルエリアが空いてボールが入ったときに、そこから中央へのスルーパスがほとんどで、やはりあれだけ人数がいるとそう崩せない。バイタルエリアから最後のラストパスを、われわれが言う「ニアゾーン」、ペナルティー(エリア)の角の方へ出すようなイメージを持ってほしいと。そこ(へのコース)が閉められたらアウトサイドへ出せという指示。それとセットプレーのことと、相手の攻めはカウンターしかないので「大丈夫だろう」じゃなくて、ボールを取られたら全力で戻れと。それがメーンでした。
ゲームの内容は良かったし、しっかり崩していたが、シュートが打てていない。ゴールを奪うためには戦術的なこと以外の要素があると思うが、どうか?
まず、相手はこれで負けたら(予選突破の)可能性が低くなる。本当に必死の相手に対して、そんなに簡単に(点は)取れないです。それは世界中どこでもそうだと思っています。それとともに、確かにJリーグではほとんど(のチーム)がストッパーとセンターFWが外国人ということから見ても、日本人のボールを取る部分でのタレント(才能)が欠けているところがあるのかもしれない。それは技術委員会がずっといろんなことを言っているとは思うんですが、じゃあどうするんだ、というところから僕らは始まっていますから。外で起点を作って中にボールを入れるだけでは勝てない。中に勇気を持って起点を作って、そこからディフェンスラインの裏を狙っていこうと。(流れの中で点が)入りそうにないかもしれないですが、それでセットプレーを取って、セットプレーで点が取れるかもしれない。それを繰り返していくことが一番大事だと思っています。それに、このチームは点が取れないチームではないです。このグループで一番点を取っているのはわれわれです。 その意味で、僕は日本人に何が欠けているかを検証するつもりはないですし、今われわれがどうやって目標を達成するのかに集中しています。
次は5月末から6月にかけてのシリーズが始まるが、次のステップでは代表の戦い方はどういうプランになるのか
方向性は変えるつもりはないので、より精度を高めて、より回数を多くする。そのために走らなければならない。(1試合)平均10キロが普通ですけど、11キロ走ればわれわれは12人で戦えることになる。そうしたら十分にチャンスはあるだろう。今日もロッカールームで話しましたけど、代表チームでそれをやるだけでは無理だ。ここに来たらやるけど、チームに戻ったらやらない。(所属クラブの)チーム戦術に反することはする必要はないですけど、ボールを奪われて追いかけるとか、パスして走るとか、そういうことを怒る監督はいないと思う。ぜひ、今までの何割かでもそういうことにチャレンジしてほしい。そうすれば代表に来た時に、今まで80分しかもたなかったものが85分なり、90分なりに上がっていくと信じています。
中に起点を作って裏を狙うという発言があったが、今日の試合では浮き球で狙うボールが多くて相手DFに引っかかることが多かった。もっと足元のパスを狙うとか、いろいろ変えていくべきだったのではないか。それから後半始まって10分くらいに、相手選手が倒れているタイミングで何か指示をしていたようだが、何を言っていたのか
グラウンダーのパスでのワンツーで裏を狙うのは何度か出ていたと思っています。ハーフタイムで指示したことのひとつに、アーリークロスを中央の選手に引っかけるなと。アーリークロスを入れるのであれば、その裏まで入れるかニアゾーンに流し込め、ということは言ったんですけど。中央から外へ逃げるように流すグラウンダーというのは、後半に2、3回ありました。ワンツーで抜け出たのも2回くらいあったので、選手は意識してくれていると思っています。
後半10分くらいに話したのは、確かボールサイドで相手がかなりリスクを負って縦パスを狙ってきていて、自陣あるいはMFゾーンにかなり来ていたので、そこは慌てずにしっかりボールを動かせと。そしてもう20メートル上がったところから縦に(ボールを)入れるようにと言いました。