カタール戦前日
6月9日
■ 今のうちのサッカーでは、あそこがへそ
- はじめに
- ワールドカップの出場は決まりましたが、明日の試合は最終予選という公式戦であり、多くのサポーターが来ているホームゲームであるということで、現状で勝つためのベストのメンバーにしたいと思っています。もちろんけがなどは考慮していきますが、そういう中でのベストのメンバーで、明日はホームでぜひ勝ちたいと思います。
- かなりの人数の入れ替えがあると思うが、今まで出場機会がなかった選手が出ることによるチームに与える影響はどう考えるか?
- 現状、何人かは入れ替えないと難しいと思っております。ただ、キリンカップを含めてほとんどの選手が試合を、今回のシリーズで経験しています。そして、そのパフォーマンスは非常にいいものであって、おそらくけがなどの理由で出られない選手の代わりに出るというのは、ものすごく大きなチャンス。今までけがで出られなかった選手の代わりに呼ばれた選手が定着するということもありましたので、そういう選手が「ここぞ」とばかりにプレーしてくれたら、これはまた大きな刺激になると思っています。ずっと試合に出ていた選手には疲れが見えますが、モチベーションは高いので、きっといい試合をしてくれると思っています。
- 明日は岡田監督の代わりに大木コーチが指揮を執ることになるが、特に指示したことはあるか?
- まだ何もそういう話はしていないんですが、明日ミーティングがあって、基本的にわれわれは毎日のようにスタッフミーティングをして、同じ考えでいますし、大木コーチを信頼しているので、現場ではその場その場でそのままやってもらおうと伝えるつもりです。選手にも、大木の言うことには、自分が全責任を負うので従ってほしいと伝えるつもりです。ただメンバーの交代、戦術の変更については、一応相談してから指示を出してもらおうと思っています。
- 遠藤が練習でいなかったが状況はどうか? また予選突破が決まったことで、選手に新たなリクエストはあるか
- 遠藤に関しては、昨日の練習中にハムストリングに張りがあるというで途中で切り上げさせたんですが、今日MRIを撮ったら軽い出血が見られ、軽度の肉離れということで、このシリーズではもう使わないつもりです。
それから出場が決まったということで、選手たちにはミーティングを一回やりまして、これからが本当の勝負で、これからが大変なんだと。「ベスト4に行くぞ」とマスコミの皆さんに言って、叫んでいるだけで行けるのなら、叫ぶ練習をすればいい。何をやらなければならないかということで、お願いしたことがいくつか、それと個別で見つけてほしいことがいくつか、それらをやってもらいたいという話をしました。そういう意味で、明日の試合において特に変わったことではなくて、そういうものの最初の一歩だと。われわれの次の目標へ向かっての第一歩ということで、戦術自体は特別変わったことを求めていなくて、気持ちの面で新たな目標に向かってスタートするんだという意欲を見せてもらいたい、見せてくれると思っています。
- 欧州組を中心に、明日の試合でチームを離れる人間がいるということだが、やはり明日の試合で見てみたいと考えているのか? 特に中村俊の状態はどうか?
- 欧州組でずっと試合に出続けている選手は、来年がW杯イヤーでシーズンが始まるのが早いので、休みがあまり取れない。国内組は今年の1月に、どんなことがあっても2週間(休みが)取れるように、選手選考を試合出場機会や休暇で選んでいます。海外組も、ずっと試合に出ている選手は休ませないとけがが心配なので、個別対応で休ませる選手、休ませない選手が出てきます。だからといって、その選手を明日、送別会のように全員使うかというと、そういうわけではない。明日の試合に勝つためにベストのメンバーで行こうと思います。それから俊輔については恥骨炎があるというので心配していたんですが、本人が「すごく良くなっている」と。ぜんぜん問題ないということで、けがを理由に出ないことはないです。
- 長谷部と遠藤が出られないということで、ボランチのバックアッパーに求めていることは?
- 今のうちのサッカーでは、あそこがへそのようなところになるので、今まで2人同時に欠けることはなかったんです。1人が変わっても、十分に機能していた。ところがこれから何が起こるか分からない。実際、大会までにけがをするかもしれない。そうしたときに、明日相手は、だいぶ戦い方が変わってきていて、前からプレッシャーをかけてくる、蹴り込んでくるということで、ものすごいテストになるんじゃないかと。それに対して、蹴り合いのようなゲームになると、うちのペースがつかめない。こぼれ球をボランチがいかに拾って、それを味方につなげていくかがポイントになるので、非常にいいテストになるんじゃないかと。テストという言い方は彼らに失礼ですが、彼らならこなしてくれるだろうと思っています。
- 選手にとっての新たなチャレンジということだが、監督としてチャレンジしたいことは?
- われわれのやろうとしてることについて、サッカーにそんなにいろいろなものがあるわけではないですが、「ベスト4に入るため」ということで考えてきました。その中での微調整をすることはありますが、それを今から変えるつもりはないです。そして今、われわれがやらなければならないことは、ベスト4というこの高い山。その山に登れるスタンダード、世界基準とわれわれとの現状の差というものをきちんと認識しなければならない。一番いいのは、そういうチームと試合をすることですが、それをいかにつかんで、選手に知らせていくか。その世界基準をまねをすることはないですが、そのギャップを正確につかまなければならない。そして「何をしなければならないか」が明確になってこないといけない、というふうに思っています。
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