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ガーナ戦前日

9月8日

■ もう一回言います。本田だけではないです

はじめに
貴重な欧州遠征、アウエーでの試合も明日で終わりということで、最終戦のガーナ相手にいい試合をして結果を出したいと思います。
ガーナ戦で求められる成果は何か?
一番は攻撃に関して。ビルドアップのところはある程度できていると。そこからフィニッシュに向けての早い仕掛け、または飛び出し、そういうところができればと思っています。
日本のプレスが本田のせいでオランダに負けたと報じていることについてどう思うか?
わたしは昨日それを知って、日本のプレスの皆さんにもお話したんですが。本田が自分の持ち味を出せなかったというのはあるかもしれませんが、敗因、またはチーム全体のことを本田ひとりのせいにするのはフェアではない。チーム全体に関して責任があるのはわたし自身だということを、ぜひご理解いただきたいというお話はしました。それが記事になったかどうかは知りませんが。
明日のメンバーに関して、攻撃の改善点を図るためなのか、それともテストも含めてのメンバー選考となるのか?
われわれ代表チームが活動できる期間は非常に限られていまして、その中でいろんなことをしていかないといけない。その中で、この試合はテストだけ、この試合はこういうことだけ、という割り切った試合はこれまでなくて、公式戦であえてトライしていたこともあるくらいですから。明日の試合に関して、もちろんチームを強くしていかないとけない。しかし、いくつかテストしたいこともある。両方のバランスを考えて、これからはメンバーを決めていきたいと思っています。
本田が持ち味を出せるために、監督から特にアドバイスをすることは? それともチーム全体の話し合いに委ねるのか
これは本田に限った話ではないんで、まあ皆さん「本田、本田」とおっしゃるんで本田を例にお話ししますが。わたしは今回集まってからトータルで練習、試合を見てきて、そして今日の午前中に彼にちょっと話をして――それはサジェスチョンとかそういうことではないです。今の彼の考え方を聞いて、どういう方向性が彼にとっていいか、彼がどんなことを考えているのかを聞いて、少し短い時間の話し合いをしました。これは特に本田だけではないということは、あらためて強調しておきます。僕はしょっちゅう毎日のように面接はしませんけれど、ポイントでじっくり見て、選手の話を聞くようにしています。もう一回言います。本田だけではないです。
明日のガーナという相手の印象と、対戦するにあたって留意していることは?
典型的なアフリカのチームということで、1人1人のフィジカルが強く、アッピアー、エシアン、あとは名前は忘れましたがウディネーゼでやっていたサイドの選手(ムンタリ/現インテル)なんか、すごい体をしていますから。今まで日本はそういう相手が得意でないと言われていましたけど、そういう力やスピードがある選手に余裕を与えると力を発揮されてしまう。ディフェンスに関しては、そういう余裕を与えないということ。攻撃に関しては(相手の)個々の能力が強いので、できるだけ中盤での1対1の戦いは避けて、早めにゴール前に出ていくという形が必要ではないかと思っています。
オランダ戦後の会見で「やりたかったサッカーが90分間続かなかった」と言っていた。90分間目標を達成するために何か修正点はあるか?
試合後の会見でも少し話したと思うんですが、サッカーにはいろんなストーリーができるもので、あそこで体力がなくなって失点したのか、いや、あそこでボール際でしっかり対応して、失点していなかったら(90分)もった可能性がある。先に点を取っていれば、もっともっていたかもしれない。ある意味、はなから決めてかかるのではなくて、われわれは常にその目標に向かって、いろんな方向からチャレンジしないといけない。体力がなかったからもたなかったのでなく、じゃあそこで、どうして点が入らなかったのか。どうしてもっとチャンスができなかったのか。いろんな方向から目標に向かってチャレンジしているので、1つの体力の問題だけで解決することではない、と思っています。明日も、やり方はちょっと変わるかもしれないですが、同じような主旨でチャレンジしたいと思っています。
欧州でまとまった合宿と試合をすることで、どんな成果があったか?
正直、この時期にオランダというファーストランクのチームとアウエーでできた。これは本当にサッカー協会に感謝しないといけないことなんですけど。日本の場合、ホームでやらないとお金にならないんで。アウエーでやっても、なかなかお金をいただけないチームなので、それをあえてやっていただいた。そのおかげでわれわれは、はっきりと見えることもありました。また、このことによって、次にファーストランクと当たるときに、まずメンタルの面でかなり変わると思いますし、かなり手応えを感じている選手もいます。ロッベンに内田はほとんど攻められなかった。いつもテレビで見ていて、最初は怖がっていました。最初は5メートルくらい離していた。で、ベンチから「もっとロッベンに行ってみろ」と。行ってみたら、意外と止められた。
こういう経験というのは、ものすごく大きなことで、結果的には0−3というスコアでしたけど、これは1点取られたときに、どうして2点目、3点目を簡単にやられるのか。これも大きな問題ですけど、そういう非常にクローズアップされたところと、はっきり手応えをつかめたところが見えたと。これがいつものようにワールドカップ(W杯)の直前だとなかなか難しいんですが、この時期だと、選手たちも自分たちでテーマをもって、これから自分のチームでチャレンジしてくれると思うので、これは本当にありがたいことだと思っています。
明日は人とフォーメーションも変わるそうだが、人の配置やオプションを持ちたいという考えはあるか?
ここまでW杯予選という公式戦をメーンで戦ってきましたので、メンバーをある程度固定してやってきました。そのせいもあって、大体いつも出ているメンバーがそろうと、そこそこいくんですけど、そこが1人、2人と欠けると、かなり開きが出てきてしまったという反省がわたしの中にはあります。そういう意味で、底上げも当然したい。しかしW杯に向けて、限られた時間の中で、もっとこのチームを伸ばしたい。そういうジレンマの中で、明日のメンバーを決めていきたいと思います。
昨日の練習の後、選手たちは「ゴール前の迫力が必要だ」と語っていた。監督は、そうした選手たちの話し合いの中に参加していたのか。また監督が考える「迫力」とは、具体的にどのようなものなのか
選手で話し合ったのは、ちょっと僕は知らないです。ただ(試合が)終わった後、翌日のミーティングで、われわれに今、一番大事なのはフットボールの原点だと、特に攻撃において、点を取るために攻めるんだと。コンセプトとして、シンプルにボールを回す、パスしてサポートと。しかし、それはあくまで手段であって、パスしてサポートに行って満足していたら話にならない。
僕が言ったのは、ゴールを取る「迫力」というのは「ゴールを取りたいか」と。ゴールを取るためには、何をせねばならないのかと。おのずとゴール前に入っていくだろうし、ボールをよこせという動きをするだろうし。サッカー選手としてまず大事な「点を取りたい」という気持ち、「点を取るんだ」という強い気持ちをもって攻撃にいかないといけない。手段が目的になっていては、よくないという話をしてビデオを見せました。おそらく、その後そういう話し合いをしていたんだ思います。