１０月７日

■ 選手たちが、自分のチーム、あるいは個人トレーニングの中で、この８カ月をかけてステップアップしてほしい

はじめに

明日の試合は、一応、公式戦、アジアカップの予選ですし、ホームなので香港には絶対に勝たねばならない。それとともに、このチームが次のステップに向かっていく最初の大会だと思っているので、内容のある試合をして結果を残したいと思っています。

中１日でいいメンバーをそろえたスコットランドと戦うわけだが、明日は公式戦をどう戦うのか？

これは答えがありません。答えがあることを決断するなら監督はいらないわけで、それをどうするかを考えるためにいると思っています。それで、ここまでずっと考えてきたんですが、どうもスコットランドが急きょ、何人か来ないという情報が入ってきまして（苦笑）。こんなに考えてきたのに、また考え直さないといけない、という状況です。これから帰って、情報をしっかり確認して、明日の昼くらいまでに考え直したいと思います。

天候のためスタジアムでの公開練習がなくなり、練習時間が短くなった中でのポイントは何か？

天候の関係で午後の練習をやめたのではなく、当初から今日は午前中に練習すると。それは２日しかないので、いつも通りの前日練習の軽いコンディショニングの練習では物足りないので、ハードな練習をしたいと。そうすると翌日の練習に備えてのリカバリーの時間が欲しいので、午前中にやるという計画です。午後は公式トレーニングに来なければならないというのであれば、散歩だけでグラウンドを見に来ようと思っていました。でも、こういう状況で「来なくていい」ということだったので、「やめます」ということになりました。
最初からこの２日の練習でやる内容は考えていて、１日目は今までやってきたことの復習のようなこと、２日目はクロスの練習。納得いく練習ができたと思っています。

この台風について。それから今回初招集の森本について

天候に関しては昨日も一部の人に言いましたが、僕は台風を動かす力を持っていないので、中止となればなったで、やるとなれば予定通りで、どうにでも対応しようと思っています。なる前から心配しても損するだけなので、まったく考えていません。なった場合はこうしよう、という計画は立てています。

それから初招集は森本だけではないんですけど。どうも皆さん、「森本、森本」とおっしゃるんですけど、ほかにも岩下、（山本）海人、石川と４人いるわけで、彼らはそれぞれ特色を出そうと、高いモチベーションで練習に取り組んでくれています。ただやっぱり、緊張とか慣れない面とかあって、遠慮ではないんですけど、今少し、自分のすべての力を出せている状況ではないんじゃないかなと。もうちょっと時間を与えないと、２日間だけの練習では難しいんじゃないかと思っています。

今回、１０日間あるので、その中で力を出してくれればと。われわれも、あまり慌てずに１０日間の中でいろいろなコミュニケーションを取っていこうと思っています。森本に関しても同じで、彼の得点感覚というものは、可能性は見せてくれていますが、まだ本領を発揮しているとは思っていません。まだ、もっといけるんじゃないかと期待しています。

香港代表は東アジア選手権予選からメンバーが変わっているようだが、監督はどのようなイメージを持っているか？

東アジア選手権予選のときは、サウスチャイナというクラブの監督が、外国人登録を除いたメンバーで戦っていました。今回、その監督が正式な監督になって、そこに今までの代表選手を半数くらい加えてきたと。だから、以前よりはパワーアップしているんじゃないかと感じています。印象としては、中心は他国からの国籍取得した選手になるんですけど、特別秀でた能力というよりも、２トップが背が高くてがっしりしている。

攻撃に関しては、プレッシャーが掛かったら早めにそこに入れてくるんじゃないかと。ＤＦに関しては、点がなかなか入らないと、ものすごく頑張るメンタリティーを持っていて、北朝鮮戦も粘り強く最後まで頑張って、カウンターで決定的なチャンスを４〜５回作っていました。そういう意味で、もし侮ったような戦いをすれば、思わぬ結果になる可能性がある相手だと思っています。

クロスの精度や中に入るタイミングの練習を４５分くらい続けていたが、それはオランダ遠征での反省や分析を踏まえたものだと思う。その成果を、この３連戦でどう出したいと考えているか？

先ほど、わたしは「新しいステップへ向かうスタート」と言いましたが、その意味は本大会まで残り８カ月、代表だけでステップアップできないことがたくさんあります。つまり選手たちが、自分のチーム、あるいは個人トレーニングの中で、この８カ月をかけてステップアップしてほしい。そのスタートです。それを３連戦で、結果のすべてを求めるとか、そんなことはまったく考えていなくて、この３連戦で結果が出れば、それは素晴らしいことですが、これから選手たちが８カ月間のモチベーションを保っていくための指標となれば、というつもりでクロスの練習をしています。４５分ですぐに結果が出たら僕も楽なんですけど、そうはなかなかいかないのがサッカーなので、もう少し気長に見守りたいと思います。