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トーゴ戦後

10月14日

■ われわれは試合だけで選手を評価しているのではなく、練習を含めて選手を見ています

はじめに
このシリーズを、われわれの本大会に向けた新しいスタートという位置づけで始めました。もちろん強い相手とできるに越したことはないですが、一番はどんな相手であっても、われわれがやらなければならないことを90分間やり通す、ということで(試合を)やったんですが、選手は本当に素晴らしい、高い意識を持って90分やり切ってくれたと。
まあ、勝つことだけだったら、あそこまでしなくてもという戻り、切り替え、パスして出ていくということをトライしてくれた。これは監督として、本当にこの上ない喜びであり、選手たちには感謝したいという一言です。それとともに今回は、みんなの意識としてゴール前での迫力を出すためのゼロコンマ何秒の感じ方、速さというものにトライして、まだモノにはなっていないですけど、形にはなってきた。あと8カ月、ここからが勝負だと思っています。
1トップと2トップ両方やるということだったが、最初の2トップと森本についての評価は
そのあとのいろんなやりくりを考えたときに、このメンバーでスタートして変えていくのが一番スムーズだという計算のもと、2トップでスタートしました。その中で森本に関しては、もちろん点を取ることを期待していました。それ以外の要求はほとんどしなかったです。得点に絡んだプレー、それから自分でも1点取ってくれたらと。彼が(ゴール前に)つっこんで取れた点もあった。そういう意味で、まだ2試合目の中でよく結果を出してくれたんじゃないかと。ただまだまだ、彼がこのチームで先発としてやっていくには、やらないといけないことがあると思っています。しかし、切り札的な使い方であれば、今でも十分にやっていける感触は持っています。
選手の評価基準は、戻りや切り替えの速さといったハードワークに対してなのか?
ハードワークよりも基本的なことをきっちりやる。システムや戦術面も大事ですが、基本的なことをどんな時にもきっちりやる。それが癖になるように。この相手なら戻らずとも大丈夫だろう、ということだと、戻らないといけないときに戻れなくなる。どんな時でもストッパーが上がったら、全力で戻れと。今日は闘莉王、中澤含めて本当に、上がった時の戻りというのが素晴らしかったと思います。そういう意味で、前提としてハードワークというよりも、基本的なことをきっちりできたということを、今回の評価基準としています。
今回新しい選手を何人か試したが、戦力としてめどは立ったのか?
われわれは試合だけで選手を評価しているのではなく、練習を含めて選手を見ています。その意味で、今回呼んだメンバー、新しく呼んだメンバー、短い時間しか出せなかったり、試合に出せなかったメンバーもいるんですが、本当にそれぞれが持ち味を出してくれた。確かに、スタメンでいけるか、競争できるかというと、できない面もあるんですが、それぞれが持ち味を出したことでチームの幅が広がってきたんじゃないかと。
ナオがあそこで勝負してクロスを上げる。これはなかなか、ほかにできる選手がいない。そういうことをやってくれましたし、森本もさっき言いました。寿人も久々でしたけど、点は取れなかったですが、ラスト15分に仕事ができる選手になってほしいという要求をしていましたけど、彼はそれをしてくれた。今日も最後の得点は、大久保のシュートのこぼれを寿人があそこで入ってくれた。そういう意味で、それぞれの選手が持ち味を出してくれた。岩下なんかも、試合には出せませんでしたけど、ストッパーというのは途中で出すのが非常に難しいんですが、しかし練習の中で十分に存在感を出してくれたと思っています。
岡崎の成長についてどう評価するか?
ある意味、驚きがあります。彼の成長のスピードというか、初めて代表に来てからこの1年あまりの間に、彼の成長というものは驚きに値するものがあります。ボディーバランス、体幹をやっているんだと思いますが、蹴ったあとにぶれない。また、今まではあまりボールを蹴るのが得意ではなかったんですけど、顔を出せるようになった。何よりも彼の得点というのは、ほとんどがワンタッチプレーです。ボールを持ったときではない。そういう意味で、自分の特長を知っていて、それで飛び込んでいく。確か代表で18試合で14得点だったと思うんですが、これは驚異的な数字であって、このままもう一皮むけたら、本当にいいストライカーになると期待しています。
今日は攻撃の形やクロスの入れ方は狙い通りだったと思うが、そこだけにこだわりすぎているのでは?
香港戦の時の方が、それが顕著だったと思います。みんながそれを狙うばかりだったというところはあった。でも、逆にいうとそれが狙える状況であったと。狙える時には狙っていって、これがある程度、狙えない相手になったとき、あまりフリーでない状況になってきたときには、自然とバランスが取れてくるんじゃないかと。今は、これくらい意識が高い方がちょうどいいんじゃないかと、僕は思っています。
これからの8カ月、あるいは代表を離れて自分のチームに戻ったときに、いいこなれ方をするんじゃないか。あるひとつのことができたときに、できてないことを探すと、チームはいい方向に絶対にいきません。できたことを見ていくというのが、チームとして非常に大切だと、経験上思っています。そういう意味で、今はこれで十分だと思っています。
地元出身の今野についての評価を
正直、今野と寿人に関しては、地元ということでぜひ使ってやりたいと。力が劣っているのに使ったというのではなくて、今野に対してはボランチでもプレーできるところをぜひ見せてもらいたかったんですが、十分にその活躍はできたと思っています。彼のボール際の強さというのは、代表の中でも際立っているので、詰めの速さ、今日はいいパスも出してくれたので、十分に満足しています。
9月のガーナ戦で出た課題を、この試合で試すつもりだったと思うが、今日のトーゴはそれに値する相手だったのかどうか。また今後のスケジュールの中で、そうした課題に取り組むことは考えているか?
相手がどうなるかは、僕にできることではないので、その中で例えば僕らが見ているのは、ロングボールを蹴られたりしたときに、周りの選手は止まっているのか戻っているのか。じゃあこれがガーナが相手だったときに、というふうに感じて見ています。そういう意味で、まったくっていないですし、相手がこうだったからこのテストができなかったとか、そんなことは思っていないです。それは強いところとできるに越したことはないですけど、全く問題はない。
今後の強化スケジュールに関しても、ある意味、今までもずっとそうですけど、日本でやる試合というは、なかなかタイミングというか、いい時期でないと、いいメンバーでは来られない。これは当然のことで、この極東の東の端にまでインターナショナルデー3日間で、ベストメンバーで来てくれるというのは、そうはないと思います。その意味でわれわれが行くしかない。ラッキーなことに、3月に1度、インターナショナルデーが3日間あります。そこは調整がついてないんですが、弾丸でもいいので、こちらから出向いてやりたいという要望は出してあります。Jリーグとの調整はありますし、まだ未定ですけど、できたらそういう試合を1試合、5月になるまでにやっておきたいと思います。ただ来月、南アフリカ遠征に行けるので、そこで1試合できる。これはアジアの国としては本当に恵まれた状況だと思っています。