Scugnizzo

Yahoo!検索

  • ウェブ全体を検索
  • このサイト内を検索

香港戦後

11月19日

■ 自分たちで考えて、違うプレーを選択したと。これは素晴らしいこと

はじめに
今日はわれわれは立ち上がりから、決して悪くないプレーをしていたと思いますが、しかしそれ以上に香港が素晴らしいプレーをしていた、ファイトしてきてくれたと思っています。シュートを決めること以外は、われわれも決して悪くなかった。そんな中、こういう展開で、得てして1本のピンチでやられることがあるところを、全員が慌てたり焦れることなくしっかりプレーをして、攻め急ぐこともなく、最後まで攻め続けてくれました。そういう意味でわたしにとっては第1戦の6−0よりもずっといい試合だったと思っています。今年最後の試合を本当に内容の濃い試合で終わることができてものすごく満足しています。これも香港チームの素晴らしいファイトのおかげだと思っています。
南アではコンセプトができたところは6〜7割だったそうだが、香港戦についてはどうだったか? そして足りないものがあるとすれば具体的に何か?
最初に言いましたように、今日の試合を通してコンセプトの面からは非常によくできていたと思います。7〜8割までいっていたと思います。ただ最後のシュートを決めるところ、それとラストパスの精度というかタイミングですね。無理なタイミングでのごり押し、というのが少しあったかなと。それとやはり、焦れていないといいつつも、無理なサイドチェンジをひっかけられるというのが何本かあったと。そういうのはどうしても何本か試合の中ではあると思うんですけど、これからもっと精度を上げていければ。ただ南ア戦と比べて、プレッシャーもすべての面でワンランク上のプレーをしてくれたと思っています。
前半20分くらいに内田から早いクロスが上がって岡崎がワントラップしてシュートを決められなかったシーンがあったが、「シュートを決められない」というのはそういうことか?
あれだけではなくて、ゴールの中からかき出されたのが3回くらいあったんですけど、要するに決定的な形になった時に、GKのファインセーブというのは当然ありますが、それを打ち破っていかないといけない。そのへんの感覚というのは練習しかないので。選手には今日のシーンを編集して送るので、練習してほしいと。同じシーンを練習してほしいと伝えています。
コンセプトにこだわり過ぎるのでは、という指摘に対して「今の段階ではこれでいい」と言っていたことがあった。今日は前半は低いクロスにこだわり過ぎていたようだが、40分過ぎに闘莉王がヘディングしたときのように、もっとバリエーションがあっても良かったのではないか?
コンセプトということで、この間言ったのは、早いクロスにこだわり過ぎたのではという質問があったので「今はそれででいい」と申し上げたんですが、今日はあれが一番相手が嫌だったと思いますし、怖かったと思います。それを防がれたときに(選手が)自分たちで考えて、違うプレーを選択したと。これは素晴らしいことだと思います。これをもっと「ニアじゃないところでやれ」と僕が命令して、そしたら次の試合は「もっとニアに蹴れ」と言わなければならなくなる。これは彼らがつかみ取ることで、今日の試合でも非常にいいチャンスだったんじゃないかと思っています。
今回の香港のメンバーは前回の対戦から何人かのメンバーが入れ替わっていた。印象が良かった選手を教えてほしい
スターティングメンバーから5人代わっていたと思いますが、その中でまずは全員が素晴らしく高いモチベーションとファイティングスピリッツで戦っていたと。中でも、DFの3番の帰化選手(ガイ)、それからやはり7番(チャン・シウキ)の強さというのは、この前も出ていましたが、ちょっと目立ったんじゃないかと思います。でも、それ以外の選手も素晴らしいパフォーマンスをしていたと思います。
今年最後の代表戦だが、この一年の進歩について
今年最後、やはり公式戦で終わって良かったというのが本音です。フレンドリーマッチとはやはり違うもので、最後にいい試合ができました。そしてこの1年で考えると、かなり地力がついてきたかなと。6〜7割のコンセプトでも危なげなくアウエーで引き分けてくる。そして今日も、あれだけ戦ってくる相手に対して慌てることなく結果を出してくる。いろんな見方があるんでしょうけど、わたしとしては非常に満足しています。
香港が非常に頑張ってくれたので、ベンチワークとしてもいい経験になったと思うが、選手交代についての手ごたえは?
自分のやっていることなので、これは皆さんが評価することだと思うんです。ただ今日はベンチに置いているメンバーにいろんな制約があって、FWは佐藤しかいませんでした。寿人を使うことは決めていたんですが、ベンチワークがどうのこうのというより選択肢がそんなになかったので、どうでしょうか。それは皆さんが評価していただければと思います。
前半にクロスにこだわっていた部分で、ほとんど右からのクロスばかりで左から入らなかった。左サイドについてどう考えるか?
南アと今回の試合に関してはおっしゃる通りで、左からのクロスは少ないと。今日も前半の途中、そしてハーフタイムにも、松井と駒野のポジショニングが非常にはっきりしない、中途半端で、松井がもっと引っ張るなら引っ張れと(言いました)。で、入れ替わるなら入れ替われと。後半は何回か左から(クロスが)上がるようになりました。ただ、今までこの1年を通して左から上がっていなかったわけではなくて、長友がいるときは左からのクロスの方が多かったです。その意味で、それが今の時点でものすごい問題だとは。今日の試合の中でもある程度解決してくれていたと思っています。
佐藤寿人の評価について
彼はJを見ていてもゴール前で非凡な才能を、背が高いわけでもないし、足が速いわけでもないんですけど、これだけは絶対に教えられないなという感覚みたいな動きをするんですよね。で、今回は絶対に入れたいということで入れて、練習でも「あ、こいつはやっぱり持っているな」と感じていたんですが、それを結果につなげてくれたというのは、ものすごくわたしとしてもうれしいことです。彼はほかの人にないものを持っているなと、あらためて感じています。