キリンチャレンジカップ2010メンバー発表
1月13日
■ 一時の感情で頑張る、それじゃあW杯では勝てないと思っています
- はじめに
- キリンチャレンジカップは今年A代表は2回目ですけど、国内組のベストメンバーでは初めての試合となります。このベネズエラ戦はわたしの中では復習といいますか、かなり代表チームから離れていた選手たち、しかし意欲を持ってトレーニングしてくれていると思っています。それをチームとして今までやろうとしてきたことが、わたしはパッと試合をやってもできると思っているんですけど、どれくらいできるかという復習をして、その後の東アジア選手権にメンバーを23人に絞って臨みたいと。そういう意味で、このベネズエラ戦はわわわれの今までやってきたことがどれくらいこのチームに根付いているかというチェックの試合になると考えています。もちろん、ホームでやるからには勝つという結果に対しても責任を持たないと、と思っています。メンバーに関しては質問の中でお答えしたいと思いますが、現状、国内組の中でベストのメンバーと考えています。
- 小笠原をこのタイミングで呼んだ理由は? また、小笠原に対する評価を聞かせてほしい
- 小笠原に関しては、彼の力はわれわれも十分把握していました。彼がどのタイミングで必要となるのだろうということを考えたり、そしてわたしとしては彼が今やっているボランチよりも攻撃的MFとして期待しています。意外とこうやって見ると、攻撃的MFの層が薄い。若手はそこそこ出てきているんですが、本当に頼って戦える選手ということを考えたときに、海外組を除くと意外と薄いものだと。そういうところで、小笠原の存在感を出してもらえればという気持ちで今回呼びました。もちろん、これがW杯につながる大会で、この1試合だけじゃなく東アジア選手権も含めてテスト的な意味合いもあると思っています。
- 今はまだまだ新しい戦力を発掘しようという段階なのか? それとも、この合宿くらいから絞り込み作業を進めていこうと考えているのか?
- メンバー発表は5月16日過ぎてからになると思います。そのときに考えればいいことで、今から考える気はまったくないんで。新しい戦力を発掘しようとしているわけではないです。新しい戦力が追い抜いてくれば、入る力を持ってくれば、当然、代表チームというのはいつも門戸が開いています。何とか新しい選手をいっぱい集めてその中から発掘しようというのはもうしていません。それはなぜか。新しい選手が入った方がいいというのは、マンネリを防ぐためだと。しかし、今の代表チームは、今に満足することなく高い目標に全員がチャレンジしてくれています。そういう意味で、マンネリすることがないので、無理矢理、新しい選手を入れ替えて刺激を与える必要はないと思っています。
- 村松を呼んだ理由はもう一度見たかったからか?
- おっしゃる通りで、村松に関しては国内での練習を2日間しか見ていません。そのときに光るものを見せてくれた。これは村松だけじゃなく、ほかのDFも見せてくれた。ほかのDFは試合でチェックできたんですが、村松に関しては光るものは何となく感じながらも、最終的なチェックができませんでした。それでもう一度、試合をやれるかどうかは別として、このキャンプで見てみたい。ある意味、見れなかったから見てみたいというのが本音かもしれません。
- 金崎、平山を選んだ理由は?
- 金崎に関しては以前も代表に入れています。試合も短い時間ですけど、去年の1月に経験しているはずです。彼はもとからポテンシャルを持っていて、得点に絡むプレーができる。パンチ力のあるシュートも持っていますし。まだまだ甘さといいますか、物足りない部分もありますが、非常に可能性を感じさせるプレーヤーということで今回呼びました。平山に関しては、もちろんこの前3点を取ったということは彼にとって大きなアドバンテージだったと思います。それとともに、彼の意欲、練習含めて試合に途中から出場したときの彼の意欲には、非常に強いものを感じました。ひょっとしたら、彼もこのチームに割って入る可能性を持っているのかもしれないということで、今回ぜひ代表チームの中で見てみたいと。そういうことで呼びました。
- 稲本が国内に復帰することがほぼ決まったが、追加招集は考えているのか?
- ほぼ、でしょ? われわれは決定するまで発表できない。それだけです。十分あります。
- 冒頭で復習というキーワードを挙げたが、これは「復讐」か、それとも「復習」なのか?
- 誰にも恨みは持ってないです(笑)。レビュー(復習)の方だと理解していただければいいと思います。
- 選手からすると今まで呼ばれなかったことへのリベンジ(復讐)というのもあるのでは?
- 僕に対するリベンジ? ベネズエラに対してかと思った(笑)。そうですかね。見返してやるとか、そういうパワーは確かに強いものがあって、一時期的には非常に強い、よくブラックパワーと呼ばれるんですけど、しかしそういうネガティブから生まれたパワーは一時は強いですけど、長続きしないもんだと僕は思っています。そういう意味で、選手たちはそういう感情よりも、W杯でベスト4に入るチームで活躍してやると、世界を驚かしてやると、そういうもっと高い志から出た気持ちで来てくれると信じていますし、そういう選手を選んでいるつもりですから。一時の感情で頑張る、それじゃあW杯では勝てないと思っています。
- 指宿合宿では特にどんな部分を強化していきたいと考えているか?
- 東アジア選手権も含めて話しますと、僕の中ではこのベネズエラ戦で今まで離れていた選手をもう一回チェックして、そして東アジア選手権でもうワンランク、ステップアップしたいと。それとともに、われわれはステップアップを確実にしてきたという気持ちがあるんですが、いかんせん、昨年内の対戦相手では確かに確認ができなかった。相手がちょっと力不足のところもありましたし。その中でやることはやっているんですけど、そういう意味で韓国、中国あたりとやることによって、われわれのステップアップを確認したいと思っています。そう考えると、指宿のキャンプというのはわれわれが今までやってきたことをもう一回チェックする、そしてコンディション不良の選手がいたら、オフ明けなんで、それをチェックする。また、けがあがりで試合経験がないんで今回はちょっと難しいかもしれないとか、そういういろんなことがあると思うので、まずは今までやってきたことをチェックすることが一番になってくると思います。そして強化を東アジア選手権でやりたいと考えています。
- 小笠原を招集したのには、中村俊輔や本田圭佑の海外組が計算が立たないかもしれないという影響があるのか?
- それはまったくないです。小笠原の存在感、実績からして、呼んで外して、呼んで外してということをできる選手ではないと思っています。そういう意味では、ここはわれわれにとって、彼を見る重要な機会だと思っています。ほかの選手がどうのこうのだから小笠原を呼んだというわけではないです。正直、ある程度、計算していたタイミングです。
- なぜ、W杯5カ月前のタイミングなのか?
- 5カ月前とかじゃなくて、今言ったように、例えば人数16名や18名で行くようなときに入れないかもしれない。今のメンバーが固まってきた状況では。それを外して、また人数多いときに呼ぶというのは難しい。今回は人数を多く呼べる最後のチャンスです。そういう意味です。その最後に呼ぼうと思ったということです。
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