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中国戦前日

2月5日

■ 競争させると自信をなくしてつぶれるとか、そういうレベルでやっているチームが、本当にW杯で勝負が懸った試合で勝てるかと言えば、ちょっと厳しいと思います

中国とは2年前に対戦しているが、当時と比べて今の代表はかなりレベルアップしていると感じるか?
レベルの差というよりまったく違うチームなので、チームとしてのまとまりも含めて、ある程度の差はあると思います。ただコンディション的なことを考えると、あの時は1月のもうちょっと早い時期に集まっていたんで、同じくらいかなという感じを受けています。
ベネズエラ戦で気になる点があったということだが、どういったことを重視して中国戦に臨むのか?
オフから明けたとき、チームというのはプレッシャーに慣れていないので、プレッシャーにさらされたときに戸惑うか、大きな動きができずに戸惑うか、大体どちらかのパターンだと思います。わたしはチーム作りをするときに、プレッシャーに慣れていない方が怖いと思っていて、プレッシャーに慣れさせるようなトレーニングをするようにします。そういうときは狭いコートで練習することが多くなるので、大きな動きが少なくなる。そういうところを少し改善していきたいと思います。
大会3試合を通しての目標は? それから選手が23人いるが最終的に全員を使うつもりはあるか?
あらためて東アジアのトーナメントをやるからには優勝を狙いたいと。まだ1回も優勝していないということなので、ぜひ優勝したいと思っています。われわれには大きな目標がありますけれど、まずは目の前の試合にすべてを懸けてと考えています。トータル3試合でできるだけいろんな選手を試せる最後のチャンスなので、試していければなと思っています。でも、ゲームプラン、トーナメントプランというのはどんどん変わるので、あんまり言うと「また変わりましたね」と言われるので、一応予定としてはできるだけ多くの選手を使いたいと。それから最後の韓国戦に良い状態で臨むために、われわれは中2日、韓国は中3日ということもあるので、そこで選手のコンディションを考えて多くの選手を使えればと、今は考えています。
ベネズエラ戦では玉田と内田に不安があったが、今は23人全員が不安がないということか?
はい。疲れが残っている選手はいますが、けがや故障でできないという選手は1人もいません。
ベネズエラ戦の後にチーム作りの過程で「必修科目から選択科目」という話があったが、その観点からいくと選手の動きや考え方など、どこに注目するのか?
トータル3試合を通して上がってくれればと。今日はセットプレーの練習をしたんですけれど、こちらからあまり指示するより、選手同士である程度話し合わせると。その方が自分たちでやるという意識が出て、いろんなイレギュラーなことが起こったときに対応しやすいというのがあって。そういういろんな状況の中で、紅白戦もやりましたが、選手同士でかなりいろんなコミュニケーションをとるようになった。そういう意味で成熟していく段階になってくれればと思っています。
2年前と比べてチームとしてのまとまりが出てきたということだが、具体的には?
2年前と比べるのは非常に難しくて、あの時のチームと何を比べるか、2年前のチームをそんなによく覚えていないですし。ただ、あの時わたしは就任して間もなくて、タイ戦が終わってすぐに行って、選手としてはW杯予選が終わってホッとしたときに遠くに行くのか、という感じで、けが人もたくさんいて盛り上がっている感じではなかったというのが、わたしの記憶では残っているんですね。そういう意味で、今回はこの前にW杯予選があったわけでもないし、「さあ、W杯イヤーの最初の大会だ」という意識もあるので、あの時よりメンタル面でいいんじゃないかと、そういうイメージを持っています。
選手の様子を見て、軸や柱のような存在は見えてきたか?
もう、1人だけが中心というチームではないんですが、いろんな場面で今日も守備のセットプレーだったら2人くらいがリーダーシップをとって「お前、こっちの方がいいだろう」とか、攻撃だったら「こぼれ球は1人でいいだろう」とか、そういう選手が中心になって引っ張ってくれていると思います。
右サイドバックについて、内田の状態がよくないが、徳永や駒野を含めて今後どう使い分けていくのか?
内田は今は全然、症状が出なくなっています。本人も楽になってきているということなので、チャンスがあれば使いたいと思っています。これは右サイドバックだけでなく、どのポジションでも競争させると自信をなくしてつぶれるとか、そういうレベルでやっているチームが、本当にW杯で勝負が懸った試合で勝てるかと言えば、ちょっと厳しいと思います。そこを競り勝ってくれる選手という意味で、軸になるとかそういう意味よりも、競ってもらいたいと思っています。
12年前のW杯・フランス大会直前に行われたダイナスティカップでは、香港、韓国、中国の3試合でそれぞれ別なテーマを設定すると明言していたが、今回はそういう考えはあるか?
12年前の大会は優勝したんですけど、ボロカスに言われた(笑)。あれは相手の戦い方が極端に違ったので、それに対して最後の中国戦は引き分けでも優勝だったのかな。あまり攻めにいかないでディフェンスを固めて守る練習をしようとしたら、向こうもディフェンスを固めてきて、お互い固め合ってしまって非常に批判を受けた。あの時は監督になって予選を通過してすぐということで、コンセプトみたいなものを浸透させるような時間もなかったので、状況を設定しての戦い方というのをやっていたと思います。今回は、われわれの戦い方、基本的な戦い方というのをずっとやってきていますので、そんなに状況設定した戦い方をやるつもりはないです。
今回の中盤の組み合わせはベネズエラ戦から変えるのか、それともベネズエラ戦のメンバーで動きなり意識なりを変えていくのか?
五分五分、両方ですね。動き方は中盤だけでなくチーム全体のことなので、これは今日の昼食前にもビデオを見てもらったんですけど、全員の意識を変えないといけない。それとともに中盤から前線にかけて、動きやすさの組み合わせも考えないといけないと思っています。
この3試合、メンバーを変えながら戦っていくのか?
先ほどと同じような答えになるんですけど、こういうトーナメントプランを立てても、けが人などで変わってくるので。今言えることは3試合トータルを全員で戦っていきたいと。多くの選手を使っていきたいと思っています。