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中国戦後

2月6日

■ お客さんを呼ぶために人気のある選手を使うとかそういうことではなくて、強いチームを作っていくことが使命

はじめに
まず前半に関してビルドアップはだいぶよくなってきたと思いましたが、最後のゴール前でサイドを何度崩しても、そこで思い切りがなかった。もっとゴールを奪うところで迫力を、という指示をハーフタイムに出して、ちょっと強く言い過ぎたのか後半はサイドから背の高い相手に対して、早く放り込み過ぎるところがあったかなと。もうひと工夫ある形があれば良かったと思っています。どちらにしろ、だいぶ動きが出てきて感覚が戻ってきたと思います。DFとGKについては、オウンゴールになりかけたピンチもありましたけど、戻りも早かったしカバーリングも早く戻れるようになった。何とか次の香港に勝って、韓国と当たれるようにしたいと思っています。
ベネズエラ戦でスタメンだった小笠原が外れたが理由は?
満男はこのキャンプに入って非常に積極的に取り組んでくれたんですが、メンタル、フィジカル両面で疲れが出てきて、体のキレがなくなってミスが出てきていると、わたしの方で判断しました。彼は疲れのせいにしないという強いメンタリティーを持っているので、本人は言いませんが、彼にはいい状況でいいプレーをさせたいという考えがあります。ここで1日休んで、いい形でプレーさせたいということで外しました。
ベネズエラ戦では攻撃陣の組み合わせが悪かったと言っていたが、今日の組み合わせについてはどう考えるか?
今日はある程度やっているメンバーなので、問題ないと思っていました。その意味で、コンビネーションとかそういうことでは、素晴らしいということではないですが、だいぶよくなっていると思います。ただ、今日は強引に短期間で動きを出すために、3トップという形を採りました。2トップでもこういう動きが出るようにしていかなければならないと思っています。
今日のゲームの構図は、中国が10日間かけて準備をして、完ぺきなゲーム戦術をしていたと思う。それに対して、日本は今まで通りのゲーム戦術だったと思うが
われわれが中国戦に向けて特別なチーム作りをせず、これまで通りのやり方で戦ったことは事実です。中国がどういうふうにしてきたか、ということについてはわたしは分かりません。ただ、楽観的すぎるかもしれませんが、それでわれわれが相手の策にハマってカウンターでピンチを招いた、というふうには思っていません。カウンターを受けるのはある程度覚悟していて戻りをテーマにしていましたので。非常に早い戻りで、最後にディフェンスラインの裏を破られることはなかったと思っています。
攻撃に関しては、ディフェンスラインのサイドの裏を突いて、何度か前半に決定的に近いチャンスを作れた。後半も大久保のシュート、内田のポストに当たったシュートと、そこそこチャンスらしいものは出だしたかなと。攻撃に関しても、同じような感想を持っています。
ワールドカップ本大会の4カ月前に、W杯に出場していない中国に対して0−0、しかも前半終了後も試合終了後もサポーターからブーイングが起こった。それに対して監督は前向きなコメントが多いが、本当に満足しているのか?
もちろん結果に対しても内容に対しても、われわれはまだまだやることがあると思っていますが。完全に満足しているわけでは、もちろんありません。ただし今の時点で、シーズンが始まってこういう試合ができて、W杯に向けてそんなに大きな問題があるとは思ってはいません。
かつて中田英寿氏が「日本のサッカーはゲーム感覚でプレーしている。今はボトルネックにぶつかっていて、レベルアップをするのが難しい」と発言していた。今日は中国に対して日本は苦戦したと見ているが、こうした発言についてどう思うか?
ヒデがどういうことを意味して言っているのか、わたしには理解できないんですが、われわれは日本人に合ったというか、今の日本人が勝つためにベストなサッカーをしていると思ってやっています。中国とは力が拮抗した関係で、今までもそんなに完勝した試合というのがなかなかなくて、いつも厳しい試合をしていると思っています。ですので、その言葉に対してわたしが直接コメントのしようがない、というのが正直なところです。
後半の終盤で選手が疲れてきて、クロスの精度が下がっていたように感じられた。もう少し早く最後の交代をしても良かったと思うが、引っ張った理由は何だったのか?
疲れてきているのはもちろん分かっていました。ただ、わたしは練習などを見て、ここ2週間くらいですか――その中で交代で出す選手が劇的にゲームを変えられるとは判断しなかった。だから代えませんでした。
ここ2試合、客席に空席が目立つ。それから、ハーフタイムでブーイングが沸いた。W杯イヤーの序盤でこのような反応があることについて、プロの監督としてどう思うか?
お客さんのことに関しては、そこまで背負い切れないところがわたしにはあります。いろんな事情があるとは思いますが、それに対して、わたしがお客さんを呼ぶために人気のある選手を使うとかそういうことではなくて、強いチームを作っていくことが使命だと思っています。
サポーターのブーイングに関しては、もちろん真摯に受け止めないといけないと思っていますが、われわれは今、勝つため、あるいは強いチームを作るためにベストを尽くしています。ある意味、そういうふうに評価されているのは当然だと、しょうがないと思っています。それを力にして、強いチームを作っていく。わたしの仕事はそういうことだと思っています。