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イングランド戦後

5月31日

■ 友だちだと思っていたけど違うみたいですね(笑)

はじめに
今日の試合、イングランドということで、2つのポイント。1つはディフェンスにおいてプレッシャーをどこまで掛けられて、裏をやられないかということ。もう1つは、この相手にボールを回して攻めていけるかということ。ディフェンスはそこそこ計算できるんですけど、後半になって、今のコンディションではしょうがないと思うんですけど、真ん中がちょっと下がり過ぎたかなと。攻撃は、前半はまあまあ行けたんですが、もっとできると思います。コンディションが上がってくれば、もう少しできるようになるんじゃないかと。
ある意味、初戦に向けた道筋は見える試合をやらないといけないと思ったんですけど、まあ見えてきたかなと思っています。選手は最後まで、本当によく頑張ってくれたと思います。
4−1−4−1のシステムは、相手が1トップでも使うか?
4−1−2−3のつもりなんですけど、両サイドが下がってくるとどうしても4−1−4−1になるんですけど、相手が1トップでトップ下を2枚の場合だと、やっぱり4−2−3−1の方がベターかなと思います。ただ相手がトップ下1枚なら、4−1−2−3も十分にあるのかなと思っています。
GKを川島に、キャプテンを長谷部にした理由は?
GKは、川島が練習を見ていると調子が良くて、体に伸びがある感じを受けたので使いました。キャプテンに関しては、もうあと2週間になったので、ずるずると今までのムードとか流れを引きずるわけにいかないので、ここで1回、そういった流れとかムードを変えるために長谷部にしました。長谷部はこのチームの中堅としてチームを引っ張っていく、みんなが信頼している選手ということと、リーダーシップを取るところがあるので、彼にしました。
攻撃に関しての課題は?
前半のうちは中盤で何回か、もう少しできると思ったんですけど、それでもボールをシンプルに動かしてサイドバックが上がっていくという形があったんですけど、後半に押し込まれて、遠藤とか長谷部がコンディションが良くなくてへばってきたら、なかなか前への推進力が出なかったなと。これがコンディションが上がってきて、そこでタメができれば、サイドバックが上がっていく形ができるんじゃないかなと思っています。
国内の試合でなかなかいい流れが作れなかったが、この試合は転機になると思うか?
先ほども言いましたように、ある程度、選手にも道筋が見えたと思いますし、ちょうどこれで2週間、いい感じじゃないかなと。2週間でコンディションを、もう一度山に戻ってちょっと追い込んで、コートジボワールとやって、いったん落として、小さな山を作って初戦を迎えるという感じで、ちょうどいいんじゃないかと思います。
戦術うんぬんよりも、メンタル的に悪い流れがあったと思う。どうやって選手をピッチに送り出したか?
メンタル的には、皆さんが思われているほど悪くなかったんですが。ただやはり、韓国戦にしてもそうですし、ボール際の強さ、そういうものがレベルが上がると、そこで負けてしまったら戦術うんぬんの前に勝てないと。例えばシュートを打たれるときに、誰もスライディングにいっていないとか、そういうボール際で勝てる、これはある意味メンタリティーなので、強いメンタリティー、1対1で負けないという強いメンタリティー、日本の国を代表しているんだと。ちょっと、スイスの合宿に入って言ったんですけど、われわれはリゾートで来ているんではない、W杯で戦うために来ていると。韓国に負けてから、どうもみんなに危機感がなかったので一度、厳しく言ったんですけど、その意味で選手たちは、今日はいい闘争心をもって臨んでくれたんじゃないかと思います。
後半のスタミナ切れについて、コンディションが整えば解決すると考えているか。また遠藤をあの時間帯まで引っ張った理由は何か?
コンディションが上がってくれば、あれだけ中盤の横にスペースがあったので、われわれの方でもボールをつなげられると思うんですが、ただそれが最後まで持つかどうか、その保証は誰にも分からないと思います。やっぱり自分たちの持つ時間を長くしないと、守り切るなら守り切るで、稲本を入れたりとかもあったと思うんですが、ハーフタイムで「今日は1−0を守り切ってどうするつもりだ。もう1点取りにいけ」と言ったんだけど出られなかった。
遠藤、長谷部がへばっていて、今、この試合でそれに代わるくらいのコンディション、それからあのポジションでのプレーができると思える選手が今回はいなかったので、最後まで引っ張りました。
カペッロ監督が「日本は4−1−4−1をやりたいのだろうけど、実は9−1だったのでは」と言っていたことについて
彼が何を言おうが関係ないですし、友だちだと思っていたけど違うみたいですね(笑)。
阿部のアンカー起用について
勇樹は90分持たないんじゃないかと正直思っていたんですけど、90分持ったと。後ろとの連係、前半はルーニーが下がったところにいけない、引いていなかったんですけど、後半はルーニーが下がったときにストッパーが出たら勇樹がカバーする、勇樹が行ったらストッパーがステイすると。後半の立ち上がり、向こうが4−2−3−1になったので楽になったんですけど、2トップでも、そういうポジショニングというのは非常に良かったんじゃないかと思っています。
攻撃時ではスピードアップの意識や、パスを前に入れて中で仕掛けていこうという意識づけが見られたと思う。相手が4−2−3−1になっても、それは変わらないか?
うちがずっとやっている、シンプルにボールを動かしてというところで、やはり縦に入らないと、どんどんプレッシャーをかけられる。特にサイドバックが持ったときに、相手にかぶさられたときにすぐに横を向くと。それはこのスイスでかなり言ってきたので、そこは良くなったかなと。ただ、遠藤と長谷部の足が止まったときに、縦へ入ったときのサポートがどうしても止まって、その後が続かない。彼らのコンディションが上がって、それとともにチーム全体の押し上げる推進力が出てくれば、もう少しできるのかなと思っています。
手応えをつかめたと思うが、何か足りないものがあるのか。あるいはコンディション以外で問題はあるのか?
コンディション以外に、攻撃の連係で前へ行く形がもう少し中盤で作れないといけないんですけど、中盤で十分にパスができるところで、びびってはいないんですけど、前に受けに来ない。勝負のパスを無理やり出している場面もあったので、そのへんの精度は上げていかないといけないと思いますし、最後の2点ともクロスからオウンゴールという形なんですけど、まだその1つ前のボール際が甘い。「ここだったら大丈夫だろう」と。大丈夫じゃないですよ。そのへんのところは、上げていかないといけないと思います。