帰国直前コメント
6月30日
■ 必ず勝てると言ったが、うそになってしまった
- 選手に話はしたのか
- 選手に? 全員そろったところで少しだけ話して解散。そこでバラバラになるんで、スタッフも。
- どんな内容か
- まあ、それは仲間うちの話なんで、たいした話はしていないです。
- 感傷もある?
- 感傷に浸るよりも、やっぱりぜいたくは言わないけど、もう1試合はやらせてやりたかったなと。無念というか、寂しい気持ち。
- PKを外した駒野が泣いていた
- そりゃ、やっぱりね。グッときましたけど。
- 会見では、敗因は自分の執念が足りなかったと話していたが
- 一晩経ってもあんまり考えてないし、これでもうビデオを見なくていい日々があるっていうだけで、ちょと当分考えたくないなと。やっぱり何かが僕に足りなかったと。選手には100%力を出せば必ず勝てるって言ったけど、うそになっちゃったから。やっぱりそれは、100%出してくれたけど、自分に何かが足りなかったのかな、と。
- 帰国したら何をする?
- 家に帰りたいです。どこかに消えますよ、当分。
- 八重子夫人には連絡したのか
- 試合が終わってからは夜中なんで、向こうの朝方にはしました。
- どんな言葉をかけた?
- 帰る時間だけ言いました。電話がどうしても遅れるから話しづらくて。
- 大会前は日本らしいサッカーをしたいと言っていた。やり方は変わったが、それはできたのか?
- まあ正直、みなさんが判断してくれれば。自分の頭の中では済んだことで、あんまり考える気もなくて。自分がベストだと思うことをやってきた。その都度ベストだと思うメンバーでやってきて、その都度ベストだと思うことをやってきた。ほかのやり方をやってきたらどうだったかとか、それはおれにも分からないし、誰にも分からない。もっと良かったかもしれないし、もっと悪かったかもしれない。ただ自分がベストだと思うことをやってきた。あんまり自分がやってきたことがどうだったかなとは思わない。
- 2年半前に監督就任のオファーを受けた
- そうですね。いろんなことがあったけど、あっという間だったなという感じですね。ともかく家族に迷惑をかけたんで、本当に家族には感謝している。反対を押し切って受けてたからね。強い気持ちじゃなくて、なんかやらなきゃいけないという気持ち。
- ワールドカップでうれしかったのは?
- 何ですかね、カメルーンに勝ったときですかね。
- 今後は
- 監督ですか、ないですね。変わらないです。
- クラブの監督も?
- 分からないね。ちょっと落ち着かないと。ちょっとサッカーから離れます。
- PKの順番は
- 戦略というほどでなく勘で。
- 試合前から決めていた?
- 一応、前日にシミュレーションしていたけど、そこで誰が残っているか分からないです。
- 駒野が外してしまったが
- 誰もが駒野のせいじゃないと分かっているし、本人も分かっている。プレーヤーとしてはしょうがない。責任を感じるのは。でも、あいつは大丈夫ですよ。
- 悔いはあるか?
- ないですね。
- 今後、日本が次の4年に向けて必要なこと
- それは技術委員長に聞いて。
- 提言は
- まあ、今まで会見で何度も言ったように、確かにベスト16に入ったけど、1回のW杯、1回の結果で判断するんじゃなくて、もっと長い目で見なきゃいけない。まだまだ伸ばさなきゃいけないとこはたくさんあるし、次のW杯に出られるかというと、それだって分からない。それが本当のところ。大きな目で見ていかないと。いつも言うように、W杯でうまくいかなかったお陰で次がある、ということはたくさんあるんでね、そういう意味でまだまだやらなきゃいけないことはたくさんある。長い目で判断してほしい。
- 5月の韓国戦からチームが変わった
- 良い方に変わっていったというか、チームの中自体はそんなにね。ただ戦い方の中で調子の出ない選手、コンディションを落としている選手、いろんな選手がいる中でどこかで決めきらなきゃいけない時期が来ると思っていました。そういう意味では、僕の中ではずっと、そういうチームを目指して、何て言うか、種をまいていたというか、そういうつもりがありますから。
- 中村俊が外れたが
- いや、コンディションは上がってきてたんですよ。それ以外のメンバーがうまくいっていたんで、変えられなかった。十分戻って来たけど、うまくいっているので、わざわざ変えるわけにいかなかった。
- 韓国戦から戦術を変えたのはギャンブルだった?
- ギャンブルっていう気持ちはなかったですけど。ただ、われわれがやってきたサッカーは、何人かの中心選手が最高のパフォーマンスをするっていう前提。それができないとなったときに、どこまで待つか。もうそういうことかな、と切り替えた。ギャンブルではない。
- 選手はついてきた?
- まあ、おれをあんまりあてにしてないんじゃない。
- チームが団結していたが、その達成感はある?
- 達成感というのは、指導者としてやりがいのある喜び。勝つこと以上に、指導者としての喜び。
- 指導者としての喜び?
- それはね。そういうふうになっていったのは指導者としての喜びだけど。
- ブロックを作りゾーンで守る。かなり前から考えていたやり方か?
- あの守備のやり方ってのは、ある程度できることで。ただ、それには本田という選手が必要。誰かが前線から追い回す。そうすると守備をどうしよう。それは守備をどうするかといってブロックを作ったのではなく全体を考えて。
- 代表監督はつらい?
- 割に合わないでしょ。
- 本田が得点のチャンスを作った
- 本田はもそういうものを持っていた。彼がいたから、日本の得点の可能性が増えた。彼にはそういうふうに思っている。
- 中村俊が代表引退を示唆した
- まあ、それはそれぞれひとの考え方があると思うんで。ただ彼は本当にサッカー小僧というかね、サッカーを根っからサッカー好き。サッカーから離れられないと思うし、その中で代表ってものがまたチャンスあるかもしれないし、そのときはまたやる気になるかもしれないし、それは分かんないことで。1つだけ言えることは彼がサッカーから離れることだけは絶対にない。あいつは生まれながらのサッカー小僧だから。
- 岡田監督は?
- おれ? おれはサッカー小僧じゃないから(笑)。
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