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ボスニア・ヘルツェゴビナ戦後記者会見

1月30日

■ 「どうしても入れてやる」という強い気迫

一言
前半は、この前のチリ戦に比べてプレッシャーがなかったので、選手がその気になったというか、相手に合わせてテンポが遅く、またきれいな形を作ることばかりを意識していました。ハーフタイムに「それじゃあ、点は取れない」ということで、もっとボールに向かう意識、ゴールを取る意識を出していこうと。(後半)徐々にサイドのスペースを使えるようになって、コーナーキックから1点目が入って、その後は相手がコンディション的に悪くなって足が止まってしまったので、2点目、3点目を入れてくれたのは素晴らしいことですけど、タイ戦に向けては、もっともっと貪欲(どんよく)に点を取ることが必要だと思いました。
チリ戦に比べて良くなった点、タイ戦(2月6日のワールドカップ3次予選)に向けて必要なことは?
チリ戦は久しぶりのゲームで、あれだけのプレッシャー、特にサイドバックにあれだけのプレッシャーをかけてくるチームというのはほとんどないですから、なかなかボールが出せない。前半は特に戸惑ったんですけど、そういう意味で今日はプレッシャーを掛けられても、もう少し落ち着いてできるかと思っていました。サイドバックにほとんどプレッシャーがなかったので、まあまあボールを落ち着いて回せたんですけど、何かワンタッチでやらなくていいところを、ワンタッチでやってミスするところがあった。タイ戦に向けては、そういうきれい事ではなく、ワールドカップ(W杯)予選ですから、泥臭くてもいいから点を取っていく。結局、ゴールを決めるときというのは「どうしても入れてやる」という強い気迫、そういったものがないとなかなか入らない。そういうものを、もうちょっと増やしたい。
トップにFW3人を入れるスタメンだったが、タイ戦でも攻撃的にいくのか?
これはまだ分からないですけど、恐らくタイの戦い方として、ある程度組織を作って、しっかり守備をしたところからカウンター狙い、セットプレーから点を狙ってくると思います。そういう守備をされて、こじ開けるのは簡単なことではない。こちらもある程度リスクを冒して勝負をかけていかないといけないと思います。そのときに、今日の先発でいくかどうかはまだ決めていませんが、ある程度リスクをかけて、少々カウンターを受けてでも攻めていく、というスタンスで行かないと点は取れないと思います。
合宿からショートパスだけでは駄目だとおっしゃっていた。今日の試合では、長いパスやサイドチェンジも出ていたが、どう評価するか?
合宿でもショートパスだけ、ということではなかったし、ショートパスだけでは駄目だということも選手には言っていません。チリ戦については、僕は(内容は)悪くないと思っていますし、選手にはそう言っていました。いろいろ言われているかもしれないけれど、自分たちのやり方を信じてほしい。当然、それで(相手が)寄ってきたら、逆に行くのは当たり前ですし。例えば今日がチリ戦だったら、逆サイドは空かなかったと思います。空かなかったら(そこから)点を取れはしなかったです。サッカーは、自分たちがこうするんだといっても相手があるわけですし、いろんな状況によって対応しないといけない。そういう意味で、選手は自分たちで対応してくれた。僕はショートパスが駄目だからサイドチェンジを入れろとか、そういうことは一言も言っていないですし、以前もサイドチェンジを入れるなとは一言も言っていないです。
得点を取るためにあたって、アタッキングゾーンでの具体的な指示は?
今日の相手に関してはハーフタイムに、2列目が飛び出したらフリーになるけど、中央は難しいと。サイドに振って、1人出れば中央が空くと。それくらいの指示で、2列目は、特にトップ下の選手は、サイドの選手がフリーでボールを持てるので、サイドにボールが出たときにサポートではなく、2トップに絡むように、という指示くらいです。
GKを2人使い分けたが、タイ戦では?
今のところGKに関しては、第1GKは川口だと思っています。これは経験、実績を踏まえて。実力的には差はないですが、現状ではそういう経験、実績から川口だと思います。GKに関しては、ほかの選手とのコンビネーションはそれほど重要ではないですが、川口だってタイ戦までにけがをすることもある。楢崎はずっと試合に出ていないということで、万全を期して今回は楢崎を使いました。
山瀬が2ゴール挙げたが、どう評価するか
山瀬は指宿のキャンプから非常に調子が良かったです。そういう意味で、一度使いたいという思いはあったのですが、早めに巻がけがしたので、大久保を(トップに)上げて山瀬というのは迷いはなかったです。彼の特徴は、技術やパスも出せるんですが、一番は点に絡めるということで、そういうところを出してくれた。本当に、いいプレーをしてくれたと思っています。
アジア予選に向けて、ここまでの手ごたえは?
一番びっくりしたのは、このチームは代表チームにもかかわらず、ひとつのチームになっている。選手たちが、それぞれの役割をわきまえて、チームが勝つためにプレーしている。そういう意味で手ごたえを感じています。ただ、これが本当に予選を勝ち抜いていく、3次予選、4次予選を勝ち抜くには、まだまだ足りないところ。特に、もっとスピードアップした中でも攻撃ができないといけない、というようには思っています。
オシム前監督が試合を見ていたことについては?
オシムさんが来られることは聞いていましたが、今日はお会いもしていませんし、そういうところに注意を払うゆとりはありませんでした。まあ、コメントのしようはないかな。(プレッシャーは?)まったくない。そういうのは全然気にしていないですし、(監督就任の経緯についても)こだわりもないですね。
ゲームの一つ一つに狙いがあると思うが、今日のゲームの狙いは何だったのか。チリ戦と比べてどうだったか。また、チリ戦を踏まえて狙いは変わったのか?
一応、僕の中でテーマは持っています。それは今までやってきた、組織で崩して得点まで、どの変まで結び付けられるかどうか。今日の相手というのは、ある程度組織を作って下がってくるだろうと。背が高い相手だけど、それをいかに崩せるか、ということを考えていました。チリ戦は前からどんどんプレッシャーをかけてくることは考えていました。あの試合は、それに対してどこまで慌てず対応できるか。慌ててボンボン前に蹴るようだと、恐らく押し込まれるだろう、ということで。
  僕は決してチリ戦を悪いとは思っていません。あれだけ(相手が)プレッシャーをかけている中で、ミスがなかったら、やろうとしていることは問題なかったと思っています。そういう意味で、両方ともテーマというか、うまくいったかどうかは別として、チェックできたとは思っています。