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タイ戦後記者会見

2月6日

■ 自分自身がちょっと甘かったという気がしました

一言
ワールドカップ(W杯)予選、公式戦というのは非常に厳しいものだと頭では分かっていたんですが。先に点を取れれば、結構楽な試合ができるのではないかと思っていたんですが、やっぱり甘かった。自分自身がちょっと甘かったという気がしました。(相手が)下がって守られている中で、スペースがないので(ボールが)動かない。そうすると、なかなか詰まってしまうので、敵がいても動いてスペースを作る、というのをハーフタイムに指示しました。狙いどころを、中央で持ってサイドに1回置けと。それは(選手は)よくやってくれたんですが、流れの中で1点、セットプレーが3点。その流れの中というのも、あれ(こぼれ球を大久保が押し込んだゴール)は一応「流れ」と考えていいんだろうけど、まだまだ課題の残るところがあった。でも、ここで楽な勝ち方をするよりも、(選手たちは)まだまだ足りないところを感じてくれているでしょうし、自分自身、これからやらなければならないことを明確にできました。予選ですから、とにかく1試合1試合勝っていくということ。東アジア(選手権)がありますが、次のバーレーン戦に向けて対策を考えていきたいと思います。
FK、CKのキッカーは誰に決めて、選手にどう伝えていたのか?
予選が非常に厳しくなるというのは頭では分かっていたので、セットプレーがポイントになるということで、練習をかなりやりました。キッカーは遠藤か中村憲剛ということで練習していました。いくつかのパターンをやっているんですが、その場その場で相手を見て、自分たちを見て、ボスニア戦でやったように空いていると思ったら遠藤が山瀬に出してそこからゴールになったんですけど、そういうフレキシビリティーを持つということでやっていました。最後の(巻のゴールの)コーナーキックはパターンどおりだったんですけどね。そういう意味で、セットプレーで点が取れたことは喜ばなければいけない。しかし、セットプレー以外で取れなかったことは反省しないといけない。
流れの中の得点ということでは、クロスからのシュートがほとんどなかったが、クロスを供給する方に問題があったのか、それとも中にいる人間に問題があったのか?
前半から、サイドバックのところまでは、あるいはサイドチェンジしてからフリーで行けるんですけれど、ビデオで見ていたタイはもう少し中が空いていたんですが、今日は中央に人を集めて守っていた。(中央を固められているので)逆にキッカーが(サイドで)フリーで何かしようというような、流れを止めるようなノッキングすることがあった。また、そこから蹴るボールがどうしても二アで引っかかってしまう。キックの質もそうだけど、全体としてクロスからの流れが止まってしまっていた。ああいうときは、(クロスを)上げてもなかなか(ボールを)取れないなら、人をかけて、ということをハーフタイムに伝えて。遠藤と憲剛が横でサポートになって前に出て行くので(ニアのDFなどが釣られて動き)、そうするとキッカーが蹴りやすくなる。そういった工夫を、もう少し前半からできればと思いました。
ハーフタイムに選手に伝えた「詰まった展開になったら誰か動き出せ」という指示は、試合前にはなかったのか?
試合前にはしていません。先に点が取れれば、そういう心配はなくなると思っていました。それは先ほども言ったように、ちょっと読みが甘かった。(相手の)すごいシュートで同点になって、ちょっと選手も動揺したところがあったと思います。サッカーはセットプレーで、なかなか(点が)入らないときもありますし、欲を言えばきりがないですが、常に求めていかないといけない。現状に満足するわけにはいかない。あれだけ頑張った選手には酷な話かもしれませんが、反省点は言いました。
3−1になった後、残り時間があって、相手も1人減った。その後の選手交代を見るとさらに攻撃する意図があったと思うが、どんな指示を出したのか?
もちろん、ここで守りきろうという選手はいなかった。特に攻めろとは言っていませんが、巻を入れたときは、サイドまで(ボールが)いったときに、ターゲットがいないから上げにくいのかなと思ったので。前に引っかけないクロスを入れるようにということで、巻を入れました。それから播戸に関しては、ずっと練習で調子が良くて、何かやってくれそうな気がしたので、点を入れてこいと。そのためには巻の近くを走るようにと言いました。(指示どおり?)すべてがうまくいくわけではないと思うんですが、ちょっと高原がうまく(タイミングが)合っていない場面があったので、ほかのオプションを試さないといけないかな、というところもありました。
今日のタイの感想について(タイの記者)
前日に2人の主力が出られなくなるというアクシデントがあったにもかかわらず、あれだけ1人1人がファイトしていたので、正直驚かされました。今まで、テストマッチのビデオはほとんど見たんですが、やはり公式戦になるとここまで頑張れるのか、という印象です。非常に規律を持った、組織的なチームという印象を持ちました。
東アジア選手権のメンバーについては、このメンバーで行くのか?
東アジアの登録に関しては、35名枠ということで、だいぶ前に登録してあります。これから公にホームページに出るということなので、今のメンバーを外すことは考えていませんでした。それプラス何人かの選手を入れていますが、基本的に今のメンバー中心になるかと。これからスタッフの話も聞いて、明日の午前中に決めようとは思っていますが、今のメンバーが中心になると思います。
試合後に選手にかけた言葉は?
先ほど言ったような、W杯予選の初戦というのは簡単ではない、と。勝ったことは素晴らしいが、自分自身にも甘さがあったという話はしました。それから(所属)チームに帰って続けてほしいことを少し話して、短い時間で終わりました。
前半の途中から遠藤と憲剛が逆に並んだが、あれは選手の判断か?
選手の判断です。